前回のつづきで、
トゥサイドのノーズドロップのやり方と注意点を書きます。
まずやり方からですが、
ヒールサイドで説明した時は前足かかとでしたが、
トゥサイドでは前足つま先に体重を移動させます。
目線は前全体が開けて見えているけどこれから進むだろう方向を見るようにして下さい。
あとはヒールサイドと同じようにボードのノーズがずれて落下し始めるのを待つだけです。
・・・。
たぶん出来ないと思います。
なぜかやりづらいはず。
闇雲に練習しても変な癖がつくので、やりづらいかなと思ったら、
ここから後に書くことを思い出してみて下さい。
ノーズドロップのコツというよりは、
スノーボードでのトゥサイドのコツです。
もちろんノーズドロップでも使えますよ。
まず【荷重(かじゅう)】ということばを理解しましょう。
同じ発音の言葉に【加重(かじゅう)】があります。
荷重とは、
ボードにのっているあなたの体重のことです。
加重とは、
ターン中にかかる遠心力、あなたの脚力による押し伸ばしの圧力など、
荷重以外によってボードにかかる力のことだと思って下さい。
この2つの(かじゅう)のうち重要なのはいかに、
荷重を使えるかということです。
練習していると筋力がついてくるので、間違った動き方でも、
力でなんとかしようとしますが、力んでいる姿はかっこよくないし、
誰から見ても上手くは見えないでしょう。
それに、あなたの体重はどんなに軽くても40㎏はあると思います。
あなたが意識しなくても真っすぐ重さをボードに伝えれば40㎏もの力が乗ることになります。
これだけの力を、滑りの中、脚力で作り出しながら滑ることができますか?
40㎏の箱を足首の力で押して動かせますか?
そんな無駄な力を使うのをやめましょう。
僕の先輩が「最小限の力で、最大の効果。」といっていました。
流れるように軽く滑りたい僕にとって好きな言葉です。
さて、トゥサイドのノーズドロップでどうやって荷重を使うかですが、
つま先に乗りに行くときに使います。
人の足はかかと寄りについているので、つま先へ体重を乗せようと思った時、
つま先の上まで体をほんの少し移動させて荷重しなければなりません。
ヒールサイドのときは、この移動を意識しなくてもかかとに乗りやすいから、
ヒールサイドノーズドロップの方から練習してもらいました。
細かい話ですがこのときあなたの前足足首はどうなっていますか?
体重を支えるために力が入って、足首をロックしているのならGOODですが、
体を移動させずに足首を押し伸ばしながら力が入っているのはNGです。
くどいようですが足首の力なんて程度が知れています。
これから先高速でターンをするとき、足首だけでボードに圧を伝えて滑っていると、
雪面の凹凸で足元に予想以上の力が加わったとき、耐えきれずにポジションを乱します。
トゥサイドターン中に内倒して手を着くミスは、この足首の使い方にあります。
つま先の上に重心を乗せるため、体をつま先の上まで移動させて荷重して下さい。
正しいポジションなら雪面の凹凸を吸収出来ます。
以上が注意点です。
ノーズドロップは、ターンの基礎なので、ゆっくりとした動きの中で、
正確な動きをしっかり身につけて行って下さい。