気持ちも 考えも 変わっていく

スノーボードのインストラクターをしてきて、

教えるってことを考えるようになりました。

結論から言うと『教えようとしないほうがいい』と思っています。

その理由を書きたいと思います。

その瞬間の上達より、

実感し身につく上達を目指したい。

生徒さんがスクールの常連さんになっては良くないです。

次へとレベルアップしていってもらいたいから。

(毎年来てくれる顔をみると嬉しいんですよ)

スポーツの場合、学ぼうとするときに、

・体に入ってくる感覚

・体を動かす理論

感覚と理論があります。

この二つが噛み合っていくことが大切で、

どちらかだけ優れていてもスランプになります。

ただし、教えるほうも教わるほうも、

感覚肌と理論肌とタイプにわかれるので相性があります。

たとえば、

感覚肌×感覚肌=一緒に滑るだけで伝わる。

理論肌×理論肌=言っていることが理解できる。

感覚って言うのは、生徒さんが滑ってみてそのとき実感がないと伝わりません。

上級者と初心者では、動くための筋力や普段使わない筋肉といった個人差があるために、

わずかな感覚の差であればレッスン中で気づけますが、

大きなレベル差は感覚として伝わりません。

上級者の感覚をまねて、その気持ちで、反復練習し続ける時間が必要です。

さまざまなところをたくさん滑ることでしか得られないものがあります。

理論っていうのは、実感のない、どこででもできる寄り道のない上達です。

どこまで理解できたとしても実際に滑ることが出来るようにはなりません。

上達の過程では、試行錯誤することで、直接上達に繋がらなくても、滑りに幅が出ます。

ただ試行錯誤の最中で、気持ちが折れてしまうと実力があっても諦めてしまいます。

自分のしていることがどういうことなのか理解できていれば続けることができ、

室内でも練習していくことが出来ます。

ではどうして『教えようとしないほうがいい』になるかというと、

感覚にしても理論にしても、

自分で一生懸命考えて悩んで滑っている中で気づいていくペースが、

最速だからです。

それ以上だと伝わらないし理解できないし、

教える側の押し付けになってしまい、

必要以上に考えたり迷ったりするからです。

一緒に滑ったり教えたりすることは出来ますが、

スノーボードが楽しくなくなったら終わってしまう。

自分のペースで楽しく滑っていて悩んだときに聞ける、

そんな距離にいることが、そんな環境が、

生徒さんにとって一番良いと思うからです。

数年前を思い返すと、

友達に聞かれて教えられなかったから、

ちゃんと教えることが出来る知識と技術がほしくて、

インストラクターになりました。

いつのまにか知識と技術があれば教えることが出来る、

早くうまくしてあげられると、

考え方が変わってました。

沢山の人の隣にいることは出来なくなるけど、

身近な人の傍にいれたらいい、

そういう気持ちになりました。

これからもスノーボードのことを、

用具のことから滑りの事まで、

書いていくので、

迷ったときに立ち寄ってください、

こういう形ですが傍にいられたらと思います。