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林 茂雄





東西作家死亡年譜

1950〜



是ノ年表ハ亀鳴屋ホウムペエジ連載「葬送譜」(*註1)ノタメノ予備資料トシテ作成シタルモノナレド、人選ニツヒテハ恣意的カツ独断的デアルコトヲ免レズ、偏リハ乞御容赦。詩人ヤ思想家ナドモ一部含ム。誤記等モアルヤモ知レズ、イズレ増補改訂ヲ期ス、ツモリ、ナル哉? 嗚呼。
*註1
連載「葬送譜」は、著作権の切れていない物故作家(*註2)を一回につき一人取り上げ、その作家の死や葬送についての文章を引きながら、その作家において「死」のテーマがどのように関わっているかを探ると共に、その作家へのオマージュとなるようなエッセイを目指しつつも、それが果たせていないことを赤裸々に露呈することを狙うという、絶望的なまでに成功間違いなしの試みである。

*註2
なぜ著作権*註3の切れていない作家なのか。それには様々な理由があるが、ひとつだけ挙げるとすれば、小生が古典に疎いということがある。

*註3
*註4を書いていて気付いたが、怪我の功名というべきか、この年譜を見れば、いつ誰の著作権が切れるのかがわかるという利点がある。

*註4
どんな文章でも註*註5などはない方がいい。

*註5
ましてや註に註を付けるなどという愚挙はもってのほかである。



*( )内は生年
1950 ショー、バーナード (1856)  
ステープルドン、オラフ (1886)
1951 ジッド、アンドレ (1869)
原民喜 (1905)
ヴィトゲンシュタイン、ルートヴィヒ (1889)
1952
1953 堀辰雄 (1904)
トマス、ディラン (1914)
1954
1955 宮武外骨 (1867)
マン、トーマス (1875)
1956 高村光太郎 (1883)
ブレヒト、ベルトルト (1898)
ヴァルザー、ローベルト (1878)
デ・ラ・メア、ウォルター (1873)
パピーニ、ジョヴァンニ (1881)
1957 久生十蘭 (1902)
カザンザキス、ニコス (1883)
ダンセイニ、ロード (1878)
ラルボー、ヴァレリー (1881)
1958
1959 橘外男 (1894)
クービン、アルフレッド (1877)
ヤーン、ハンス・ヘニー (1894)
ヴィアン、ボリス (1920)
ライト、フランク・ロイド (1867)
1960 カミュ、アルベール (1913)
シュペルヴィエル、ジュール (1884)
ボンテンペルリ、マッシモ (1878)
1961 ヘミングウェイ、アーネスト (1899)
サーバー、ジェイムズ (1894)
サンドラール、ブレーズ (1887)
セリーヌ、ルイ・フェルディナンド (1894)
メルロ=ポンティ、モーリス (1908)
1962 室生犀星 (1889)
フォークナー、ウィリアム (1897)
バタイユ、ジョルジュ (1897)
クライン、イヴ (1928)
1963 コクトー、ジャン (1889)
ハックスレー、オルダス (1894)
1964 佐藤春夫 (1892)
1965 江戸川乱歩 (1894)
谷崎潤一郎 (1886)
モーム、サマセット (1874)
ル・コルビュジエ (1887)
1966 鈴木大拙 (1870)
老 舎 (1899)
オブライエン、フラン (1911)
カザック、ヘルマン (1896)
ブルトン、アンドレ (1896)
ジャコメッティ、アルベルト (1901)
1967 モーロワ、アンドレ (1885)
エイメ、マルセル (1902)
1968 木山捷平 (1904)
スタインベック、ジョン (1902)
オーエン、フランク (1893)
デュシャン、マルセル (1887)
パノフスキー、エルヴィン (1892)
1969 木々高太郎 (1897)
ゴンブロヴィッチ、ヴィトルド (1904)
1970 三島由紀夫 (1925)
ツェラン、パウル (1920)
1971 内田百閨@(1889)
高橋和巳 (1931)
日夏耿之介 (1890)
尾崎翠 (1896)
志賀直哉 (1883)
1972 川端康成 (1899)
ブッツァーティ、ディーノ (1906)
1973 椎名麟三 (1911)
ピカソ、パブロ (1881)
1974 花田清輝 (1909)
カシュニッツ、マリー・ルイーゼ (1901)
1975 金子光晴 (1897)
アンドリッチ、イヴォ (1892)
1976 檀一雄 (1912)
クリスティ、アガサ (1890)
武田泰淳 (1912)
マルロー、アンドレ (1901)
平井呈一 (1902)
クノー、レーモン (1903)
ハイデガー、マルティン (1889)
1977 吉田健一 (1912)
稲垣足穂 (1900)
ナボコフ、ウラジミール (1899)
ノサック、ハンス・エーリッヒ (1901)
宮川淳 (1933)
1978 平野謙 (1907)
カイヨワ、ロジェ (1913)
1979 福永武彦 (1918)
中野重治 (1902)
植草甚一 (1908)
ランドルフィ、トンマーゾ (1908)
1980 サルトル、ジャン=ポール (1905)
ミラー、ヘンリー (1891)
レノン、ジョン (1940)
アンデルシュ、アルフレート (1914)
カルペンティエール、アレッホ (1904)
コリア、ジョン (1901)
バルト、ロラン (1915)
1981 堀口大学 (1892)
ラカン、ジャック (1901)
1982 アラゴン、ルイ (1897)
ヴァイス、ペーター (1916)
ディック、フィリップ・K (1928)
ペレック、ジョルジュ (1936)
グールド、グレン (1932)
1983 小林秀雄 (1902)
寺山修司 (1935)
クーゼンベルク、クルト (1904)
1984 林達夫 (1896)
コルタサル、フリオ (1914)
ブローティガン、リチャード (1935)
ボウルズ、ポール (1910)
ミショー、アンリ (1899)
フーコー、ミシェル (1926)
アリエス、フィリップ (1914)
1985 カルヴィーノ、イタロ (1923)
ネイサン、ロバート (1894)
ジャンケレヴィッチ、ウラジミール (1903)
ルネ・ホッケ、グスタフ (1908)
1986 ボーヴォワール、シモーヌ・ド (1908)
島尾敏雄 (1917)
円地文子 (1905)
マラマッド、バーナード (1907)
エリアーデ、ミルチャ (1907)
ボルヘス、ホルヘ・ルイス (1899)
ルルフォ、フアン (1918)
1987 長谷川四郎 (1909)
森茉莉 (1903)
澁澤龍彦 (1928)
深沢七郎 (1914)
石川淳 (1899)
ユルスナール、マルグリット (1903)
ウォーホル、アンディ (1928)
1988 大岡昇平 (1909)
ポンジュ、フランシス (1899)
   シャール、ルネ(1907)
1989 色川武大 (1929)
阿部昭 (1934)
開高健 (1930)
豊崎光一 (1935)
カヴェーリン、ヴェニミアン (1902)
バーセルミ、ドナルド (1931)
ベケット、サミュエル (1906)
キシュ、ダニロ (1935)
1990 吉岡実 (1919)
幸田文 (1904)
スーポー、フィリップ (1897)
ダール、ロアルド (1916)
プイグ、マヌエル (1932)
モラヴィア、アルベルト (1907)
レリス、ミシェル (1901)
1991 野間宏 (1915)
日影丈吉 (1908)
マンディアルグ、ピエール・ド (1909)
プーレ、ジョルジュ (1902)
ジャベス、エドモン (1912)
1992 中上健次 (1946)
ベーコン、フランシス (1909)
ケージ、ジョン (1912)
1993 安部公房 (1924)
藤枝静男 (1908)
武田百合子 (1925)
井伏鱒二 (1898)
中井英夫 (1922)
ゴールディング、ウィリアム (1911)
サルドゥイ、セベロ (1937)
バージェス、アントニー (1917)
ベアリュ、マルセル (1908)
1994 生田耕作 (1924)
イヨネスコ、ウージェーヌ (1912)
ヴォルポーニ、パオロ (1924)
レオーノフ、レオニード (1899)
ブコウスキー、チャールズ (1920)
1995 ドゥルーズ、ジル (1925)
レヴィナス、エマニュエル (1906)
フィニイ、ジャック (1911)
1996 ドノソ、ホセ (1924)
デュラス、マルグリット (1919)
パス、オクタビオ (1914)
1997 埴谷雄高 (1910)
バロウズ、ウィリアム (1914)
1998 須賀敦子 (1929)
1999 後藤明生 (1932)
辻邦生 (1925)
サロート、ナタリー (1900)
レオーニ、レオ (1910)
ヘラー、ジョーゼフ (1923)
2000 バッサーニ、ジョルジョ (1916)
2001 山田風太郎 (1922)
クロソウスキー、ピエール (1905)
2002 矢川澄子 (1931)
ブルデュー、ピエール (1930)
2003 ブランショ、モーリス (1907)
2004 種村季弘 (1933)
デリダ、ジャック (1930)
ソンタグ、スーザン (1933)
2005 シモン、クロード (1913)
巴金(1904)
2006 レム、スタニスワフ (1921)
スタイロン、ウィリアム (1925)
2007 島尾ミホ (1919)
ヴォネガット、カート (1922)
2008 ロブ=グリエ、アラン (1922)
クラーク、アーサー・C(1917)
ソルジェニーツィン、アレクサンドル(1918)


はやし しげお  金沢で生を受けるも、何度か生死のはざまを漂い、何度か希望と絶望を味わい、自らに抗いつつ自らにこだわり、もっぱら30cm四方に満たない書物の中で自分探しの旅を続けるセンチメートル・ジャーニーを自称。