4 Seasons Favorite

Edgar Degas (エドガー・ドガ)
『画家の肖像』1855年 オルセー美術館 & 書斎でのセルフポートレート1895年頃

ドガ 光と影のエトワール  日曜美術館 NHK教育  101010.san 9:00-10:00
横浜美術館  会期:100918.sat-1231.fri

19世紀後半、パリでバレエダンサーを描き続けた画家がいる。エドガー・ドガ(1834‐1917)。ドガの作品が、抜群の臨場感を持って、見る者に訴えかけてくるのはそのデッサン力による。画家を志したとき、アングルに「とにかく線をひきなさい」と助言を受け、フランスとイタリアで何年もデッサンの修行に励む。代表作「エトワール」では、バレエのポーズが決まる少し前を的確にとらえることで、次の動作を自然に連想させるという工夫も編み出していた。従来、絵画の主題として取り上げられなかったバレエダンサーたちを、ドガは巧みなデッサンでとらえ、次々と傑作を生み出した。     

しかし、ドガの作品には容易に理解しがたい点もある。「エトワール」では、ダンサーの背後に黒服に身を包んだ異様な雰囲気の男性が描き込まれており、ドガが生前発表した唯一の彫刻作品「14歳の小さな踊り子」は、やせ細った体にうつろな顔をしている。いったいドガはバレエダンサーたちにどのような視線を注いでいたのか。

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岡本太郎
岡本太郎と「午後の日(1967年)」

「岡本太郎展−芸術に挑んだ親子・かの子、一平、太郎−」
石川県七尾美術館  会期:060804.fri-060918.mon

“芸術は爆発だ”の名言で知られる岡本太郎(1911-96)は、戦後の芸術界や日本社会のみならず、世界に向けてエネルギッシュな創作活動を展開した戦後日本を代表する芸術家です。その活動は絵画・彫刻・染色・陶芸・デザイン・写真・評論など多岐に渡り、あらゆるジャンルで革新的な業績を残した。

今年は、太郎の没後10年という節目の年です。本展では、改めて太郎芸術を紹介すると共に、今年初公開となった父で漫画家の一平と母で歌人・小説家のかの子に関する資料もあわせて、173点を紹介する。今なお、強烈な存在感でエネルギーを放出し続ける太郎芸術を、この節目の年に堪能した。     

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速水御舟
速水御舟 & 谷口吉郎

革新と破壊の日本画 〜 孤高の天才画家 〜
新日曜美術館 NHK教育  041031.sun 9:00-10:00

大正から昭和へ、他の追随を許さず、新作を発表するたびに大きな話題をさらった天才画家、速水御舟(1894-1935)。
日本の大和絵はもち論のこと、中国の水墨画、セザンヌやデューラーといった西洋の作家の技法を身につけ、それまで日本画にはなかった写実主義的な独自の画風を生み出し画壇に大きな衝撃を与えた。その後、写実画をこえてその対極の幻想的ともいえる画境に達した御舟は、40年の短い人生の中で、700点近い作品を残し、その代表作「名樹散椿」、「炎舞」の2点は、重要文化財の指定を受けている。

「芸術において、出来た“型”はどんどん破壊しなければならない」と語り、日本画の破壊と革新を繰り返した御舟。その芸術の秘密は、卓越した「技法」と「色」にある。修復された写実主義の代表作「京の舞妓」では、日本画の技法をベースに、西洋の銅板画や印象派の点描画法を巧みに織り交ぜ、不気味なまでにリアルな世界を作りだしている。修復時の科学的な分析をふまえ、「御舟の絵が自らの理想」と語り長年その研究をしてきた日本画家・田淵俊夫が技法の秘密を探り、また今年、その全貌が初公開された御舟の日記から自身の言葉で綴られた「破壊と革新」を実現するための天才の苦闘の日々を現代アートの旗手、村上隆と読み解いていく。

谷口吉郎 金沢市名誉市民、1904年(明治37年)金沢市で九谷焼の窯元の家に生まれる。山種美術館は、かつて谷口吉郎の設計により、東京都中央区日本橋兜町で1966年開館し(現存しない)、1998年に縮小移転し現在の地(千代田区三番町2番地 三番町KSビル1F )に移っている。さらに、平成21年(2009)年7月をもって三番町の美術館を休館し、秋には渋谷区広尾に完成予定の新美術館へ本移転する。     

尾形光琳
1969.9.25発行

光琳 解き明かされた国宝の謎  NHKスペシャル NHK総合  040821.sat 21:00-21:49

江戸時代の天才画家・尾形光琳が描いた国宝「紅白梅図」屏風は、日本絵画史上の一大傑作と言われ、国宝の中でも最も有名な作品の一つである。

ところが、この国宝に300年ぶりに科学の眼が入り、その結果に美術研究者や美術愛好家たちは驚愕した。国宝「紅白梅図」は、咲き誇る紅梅と白梅、そして黒く渦巻く流水が金地を背景に大胆な構図で描かれている。光琳は、背景に金箔、流水部分には銀箔を張って作り上げたというのが、これまでの定説であった。しかし、その定説がことごとく覆された。

東京文化財研究所は、去年5月から12月まで、蛍光X線分析装置や高精細デジタルカメラなどの最新の機器を駆使し、この国宝の徹底した調査を行った。NHKは、その科学調査を当初から記録し続け、新発見の連続だった調査の様子、更に、驚きを隠せない研究者らの表情をつぶさに捉えた。

番組では、最新の科学技術が次々に、国宝の素顔を明らかにしていく過程を詳細に追跡する。そして、日本美術史研究の第一人者・辻惟雄(つじのぶお)氏(東京大学名誉教授)らの専門家と共に、光琳が金箔や銀箔を使わずにどのようにこの国宝を描いたのか、また、何故、そうする必要があったのか、その謎を推理して行く。こうして、300年を経て、今、ようやく予想を超えた光琳の画業の大きさが解き明かされて行く。     

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