Teamロブ・企画部長
人生、何がきっかけで変わるかわからない。
人生が変わるなんて大袈裟だと思うかもしれないが、それは確かにある。
私の場合、それが自転車だった。
ことのキッカケは約2年前。
犀川河川敷をぶらぶら歩いていたら、前職場の先輩Y氏とROBROYマスターにお会いしたのだ。
聞けば、自転車で松任海浜公園までサイクリングに行った帰りだと言う。
2人が乗ってた自転車は、タイプこそ違えどどちらもタイヤの小さい小径車。
こんな自転車で、そんな遠くまで行けるものなのかと驚いた。
ちょうど通勤用の自転車が欲しくて色々迷っていた私に、Y氏はこんなアドバイスをくれた。
「安いのはやめとけ。買うなら高いヤツ。全然違うぞ」
そこで単純な私は、ちょっと奮発して「MARiPOSA mini」という内装8段変速のミニサイクルを購入した。
お値段5万オーバー。
ホームセンターの安ママチャリよりもはるかに高級品である。
職場の先輩からは「通勤に5分もかからないのに、そんな高い自転車勿体無い!」と言われた。
だが実際乗ってみると、やはり違うのだ。
まず軽い。
そしてよく走る!
そこら辺のママチャリはごぼう抜きだ。
軽快な走り心地と風を切って走る爽快感に、私はすっかり夢中になってしまった。
それまで乗ってきた自転車は、単なる『アシ』…移動手段に過ぎなかった。
それが、自転車に乗ること自体が楽しい目的になってしまったのだ。
これは大きな変革だった。そして始まる自転車生活。
愛車にドリンクホルダーとメーターを付けて、週末の度にサイクリングに出掛けるようになった。
思ったよりも遠くに行ける。
きれいな景色や美味しいお店など、思いがけない発見がある。
それが嬉しくて走り続けた。
そうしているうちに、今度は一緒に走る仲間が欲しくなってきた。
だが自転車ショップにあるようなチームは、本格的なスポーツバイクチームばかりで、ゆるいペースは望めない。
メットにレーパンという、あの気合の入った出で立ちにも抵抗があった。
そこで出てきたのが、前述のY氏。
「ママチャリ・折りたたみ・補助輪付き園児と、何でもアリのチームがあるぞ。」
それがTeam ROBROYだった。
そんなこんなで店に行くより先に、サイクリングの場でROBROYメンバーとお会いすることになった。
そして手渡されたのが、チームの証『酔っぱライダー』ステッカー。
あれほど飲酒運転が騒がれているのに、この人を食ったようなコピー。
加えて『とにかく頑張ってはいけない。疲れる前に休憩する』という基本方針。
本格チームが聞いたら噴飯ものだろう。
だがこの適当さ・お気楽さが、いかにもロブロイらしい。
そして自転車の種類も見事にバラバラ。
私のミニサイクルに、ママチャリ、折りたたみ、リカンベント、MTB(子供付き)、クロスバイクと、実にバラエティ豊かだが、なぜかロードはいない。
この辺りにもチームの性格が良く現れている。
初めてのチーム走は「蕎麦を求めて電車でGO!」真夏の真っ昼間、炎天下でのサイクリングだったが、想像以上に楽しかった。
こうして私はTeam ROBROYの一員となった。
もともと酒が弱い人間なのでバー通いなど思いもしなかったが、酔っぱライダーの活動会議にかこつけて、ロブロイに顔を出すようになった。
チームの活動はいたって不定期だが、そのゆるさがまたロブロイらしくて“酔い良い”。
弱いのは相変わらずだが、マスターとの会話を交えながらの酒は、楽しく、格別に美味しい。
そしてチームメンバー以外にも、たまたま店に居合わせた「飲兵衛」諸氏との出会いが面白い。
ロブロイに行かなければ、まず出会うことのない人達だ。
そこから更に広がる人の輪…自転車以外の世界も一気に広がった気がした。
思えば、今まで何て勿体無いことをしてたんだろう…
思い起こせば、きっかけはほんの些細なことだ。
だがその些細なきっかけで、生活が、人生が変わることがある。
もしあの時河川敷で二人と出会わなかったら、
自転車を購入しなかったら、
ロブロイへ行くこともその後の様々な出会いもなかっただろう。
改めて、Y氏、ROBマスター、酔っぱライダー諸氏に感謝感謝!である。
余談だが、自転車にハマりハマって遂にロードバイクを購入。
今年はこの新ロードで、Team ROBROYとして、ツール・ド・のとに参戦予定である。