森下 明広
飲兵衛のロブロイストの皆さんでも外で一人、黙って飲むことはあまりないのでは?
ひとりで店に入ることがあっても、マスターやママさん、外の常連さんと会話しながら、多少なりとも人と会話しながら飲んでいることが多いのではないでしょうか?
週に2回は外で飲む私ですが、あまりあまり会話をしませんね「俺って孤独で寂しい男だ・・・」と勝手に感じながら、黙々と飲むのが性に合うんですよ。
「じゃあ、自室で一人で酒すれば?」と思われるでしょう。・・・いや、違うんですね。他人と同じ空間を共有する中で一人飲む、これが寂しさを“より”増してくれるんですね。これが気持ちいいと感じるから、ほんと、陰気な酒です。
そんな私でもカウンターや壁に向かって一時間以上飲むのはさすがにキツイものがあります。ちょっと間が持てるものが必要なんですね。実はあるモノを相手に飲んでいます。ハッキリ言ってたいしたもんではありません、というより話すと反って恥ずかしくなるようなものです。
夕刊スポーツ新聞とか、夕刊タブロイド紙と呼ばれているサラリーマン向け夕刊新聞がそれです。
夕方にでるスポーツ新聞?車社会の金沢では読んだことも、見たこともない人が多いと思います。しかし東京や大阪といった大都市では通勤の退屈しのぎに読むサラリーマン向けに、どんな小さい駅にも置いてあります。
スポーツ新聞と言っても、ギャンブル、芸能ニュース、スケベーな風俗情報が主で、男性しか読めない極めて下品な記事が満載です。しかも記事の半分はくらいは信憑性がない、いい加減なもの。一部、硬派な政治コラムや為になる生活情報なんかもありますが、隣の席が女性だと気を使いながら読むハメになるシロモノです。
しかしこんなもの相手にいい歳した男が・・・というか、いい歳しか男にしか出来ないのみ方か?・・焼き鳥やおでん屋でなら、なんとか様になってますかね?
しかし最近、いくら独りよがりの寂しい酒でも、全く様にならない店を発見いたしました。全国チェーン、低価格のイタリア料理店(皆さんご存知の×××××)です。
この店は昼も夜も、客の七割以上が若い女性なんですね。制服姿の女子高校生が夜の九時近くまでいることもあります。
若い人が多い割りにカップルが比較的少なく、女性同士での客が多いせいか、そのぶんオシャベリの声はデカイですよ。普通の居酒屋の酔客が作る喧騒とはまた違った、若い女性が作る独特な賑わしさを醸し出しています。
若いお嬢さんが大勢いる中、スポーツ新聞相手の独り酒は寂しさを通り越して、虚しさ、情けなさを感じることになります。しかし、それでもたまに行くんですね。何故そこまでして中年男が独り、外で飲む?。カッコ悪いというか、キモイというか・・・。
え〜・・・特に盛り上がりも、オチもなく、ここらで話を終わらせていただきます。「ブルースが流れる大人の隠れ家」にこんなかっこ悪い飲み方して、文才ゼロの「ダメ、ロブロイストもたまに“いる”ということで・・・・・おしまい。