- 大黒屋では「一番だし」に地元大野で作られた醤油とザラ飴を加え「温つゆ」とし、「温つゆ」に「冷つゆ」用の『かえし』(濃い口醤油に味醂、ざら飴を加え軽く煮たせ、数日間冷暗所に寝かした物)を加え「冷つゆ」とし、「丼つゆ」用の『かえし』を加えたものを「丼つゆ」としています。
- それで、それぞれの「つゆ」は毎朝、魚節から抽出する新鮮な『一番出汁』の出来に左右されます。
- 「だし」取りの火加減には特に気を使っています。弱すぎると旨味が抽出できず、強すぎると香り、旨味が損なわれます。削り節が湯の中をを泳ぎ、僅かに釜底に留まる位がベスト。炊き出し中はあくを丹念に取り除き、時折底を掻き上げ、まんべんなく旨味が出るよう念じています。
こだわりの出汁
大黒屋は「つゆ」にこだわります。最後の一滴まで味わって頂けるようにと、厳選された食材を用い手間ひまかけて仕上げております。
「つゆ」といえば鰹節(かつおぶし)や昆布から「だし」取ると思われがちですが、「だし」の素材は地方により。お店により千差万別です。
魚節は種類により味が異なります。コーヒー豆をブレンドするように味の特性を吟味し、魚節を調合することは大切なことです。
大黒屋では、ウルメ鰯(いわし)節、ムロ鯵(あじ)節、鯖(さば)節、スマ節(鰹系)を独自の配分にて「だし」を取り、地元大野で作られた醤油とザラ飴で味を整えています。
大黒屋では、魚節から「純正風味」だけを引き出すことを心がけています。問屋さんから仕入れた魚節(まるもの)をそのまま削るのではなく、血合いや表皮を丁寧に取り除き(掃除)「美味しい部分」だけを毎朝、削ります。右側が掃除が仕上がった節です。
ウルメ鰯(いわし)節 | ムロ鯵(あじ)節 | 鯖(さば)節 | 燻製スマ節(鰹系) |
甘味があり、くせがない | 味はサバより淡く、魚臭さも少い。 | 味は濃く、旨味がよく出る。 | 香りが良い。荒ら本鰹節より小型。 |