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(C)2003
Somekawa & vafirs

金沢 BAR <主のひとり言>

ナスの栽培

もう何年も前の事になる。
何らかで嫁さんがプチトマトの苗を貰ってきた。買っても100円そこらだと思うが、ともかく植えてみよう、となる。
庭のない我が家のこと、プランター栽培となる。
早速ホームセンターへ出向いた。肝心のプランターに腐葉土。ベランダに置くゆえ受け皿もいる。 当然肥料も必要だ。念のために害虫駆除剤も買ってきた。一苗のために三千円ちょい、となった。

さて二階のベランダで植えた。
不必要に肥料をやったせいか、順調に育っているようだ。
蔓(つる)状になるらしく床へ張ってくる。やがて枝分かれしてくる。
一本が二本。二本が四本となる。 その四本が、となるがもちろん限界はくる。が、ともかく想像以上に成長する。
ポツポツッと花が咲いてくる。そして花の根元からプチトマトのそのプチ(子)トマトが出てくる。 しばらくは十個なった。オッ、二十個出来た。と喜んでいたのであるが、その後もなるわ生るわ。
ほとんど葡萄の房状態になった。ツルは床へ伸びる。そう広くない(4畳くらい)ベランダの半分くらいを占めてきた。

今ごろになり気づいた。これは多分縦に伸ばす物だろう、と。
がしかし、もう遅い。幸いにベランダゆえ、そう不潔なわけではない。ただ足元の邪魔にはなる。 ベランダとはいえ我が家の事、物干し場だ。
嫁さんは、ツルの間あいだに慎重に足を置かねばならない。

やがて2〜3個実ってきた。
汗水は垂らしていないが、喜びの収穫となった。
完全無農薬、水道水で洗い、さっそく食べてみる。けっしてまずくはないが皮が市販の物より硬い。 新鮮な物は硬いのかなあ〜、と嫁さんと半信半疑に納得する。
ところで実りだすと速い。前日の2〜3個から今日は2〜30個になっている。当然あしたは・・・5〜60個になった。まだ次の日もある。 さて、食べるとやっぱり皮が硬いままだ。

その内飽きてもくる。
しばらく置いてみよう、となった。がそのあいだも日々収穫せねばならない。 といっても所詮元は一苗、たいした事はないが、しかし個人が日々食べる量をはるかに超えている。
そこで隣近所に配る、というより貰っていただく事になる。2〜30個ずつ5〜6件に配っただろうか。
ただ「ちょっと硬いですが!」を付け加えた。皆さん「それはどうも、どうも」と喜んで頂いたが、食べて喜んで頂いたかどうかは分からない・・・。

その数日寝かしたプチトマトであるが、中は確かに柔らかくなっていたが、皮はやっぱり硬いままだった。
初めてのプチトマト栽培、数える範囲を超えた収穫量(3〜400個くらい)だったがその後作る事はなかった。


今年の事、嫁さんがゴーヤはどう?、という。
食べる目的もあるが、今流行の「グリーン・カーテン」にもなるらしい。
久しぶりに例のプランター登場であるが、これは今のところ順調に育ち、ベランダが涼やかなグリーンに変わりそうである。 小さいながらもちょっとゴツゴツとしたゴーヤがポツポツッと生っている。可愛らしい、楽しみだ。

ところでゴーヤと一緒に僕の好物「ナスの苗」も二苗買ってきた。
一苗150円、土と肥料千円ちょっと。もうひとつプランターもかってきた。800円だった。

さて順調に育つ。
成長と同時に花も咲き、その根元からナスが顔を出す、それこそプチナスだ。 ただプチトマトとは違い、そう数は生らない。今のところせいぜい5〜6個のようだ。 それどころか二苗のうち一苗はまだ一個しか生らない。
待つ事にしよう。一応3000円近く掛かっている・・・。

ある日その話しを店で話していると、過去に経験があるというI女史が「ナスは虫つきますよ」という。
次の日早速確認してみると、案の定立派に育った大きな葉の裏にびっしり茶色いアブラムシが張り付いている。
ホームセンターへ走り、ラベルにナスの絵がある駆除剤を買ってきた。
500円ちょい。帰るとこれでもか!と散布する。

次の日見てみるとしぶとく生き残っているのもいる。めがけてまた散布する。 ひとまずホッとし、数日後、葉の裏を見てみるとまたアブラムシが張り付いている。 またこれでもか!と駆除剤を散布する。
なぜかそのアブラムシを求めて二階であるにも関わらずアリも沢山上がってくる。

また数日後葉の裏を見てみる。
やっぱり居る、ウヨウヨと。また散布する・・・・・。ちょっと飽きてきた。
ところで今のところ二苗で8個は収穫出来そうである。まだ食べれるまでもう少し掛かりそうだ。
しつこいが3000円近く掛かっている。

近くのスーパーでナスを買いに行った。
6個で150円だった。
「それを言っちゃ〜、おしまいだ」とは思う。
それより育てる楽しみがある。と、無理やり考えてみるが、駆除剤片手にしながら、今回で終わりにしよう。と、硬く心に誓う僕でありました。

<主のひとり言>  毎・月半ば更新いたします。