瀬戸 陽
ほぼ毎年夏一週間ほど南の島で過ごしている。去年は沖永良部島へ行った。
羽田から鹿児島空港へ。そこでJACのYS-11沖永良部行きに乗り換え、飛行機まで地面を歩いて乗り込む。
1時間30分の飛行で沖永良部空港に着陸。島は赤土の大地で、ほとんどの海岸は断崖絶壁。
海のすぐそばのホテルに投宿。
日中はシュノーケリングや読書をして過ごす。
台風18号が島に接近中で海は荒れていたが、ウツボやウミヘビなど様々な生き物を見る。
夜はたまたま入った 居酒屋へ通う。
豚足、ゴーヤチャンプルー、スクガラス(小魚の塩辛)、小さな貝の煮物、島カボチャなど。
酒は島の焼酎『天下一』とビール。夜空に流れ星 を見る。
ホテルに帰るとテレビでロシアの人質1000人の事件が報道されている。
ラジオ深夜便はさだまさし特集。
島へ来て4日目、朝起きて部屋の窓から海を見ると、波の高さは昨日の2倍以上となっている。
10メートル以上はありそう。朝食を食べていると防波堤を超えた波がホテルの庭まで入ってくる。
イチゴジャムは汗のにおいがする。外出できず、部屋の窓から波の様子を見続ける。
船の様子を見に来た漁師が、高波に流されるのを見る。
ホテルで働いている人によれば、特別に大きい台風とのこと。最大風速43メートルを記録。
夕食は急遽フロントで売り出したおにぎり。この日の夜から完全に停電となる。
エアコンも泊まっており温度湿度ともに極めて高い。
深夜、激しい風と雨のため、部屋の窓の隙間からポコポコと音を立て室内に水が噴き出し、
3階なのに床は水たまりができるほどぬれる。高い湿度のため息苦しさすら感じ、ほとんど眠れず。
翌日も部屋でゴロゴロしてボーッと過ごす。蒸し暑く、タオルで拭いてもすぐにからだがベタベタする。
不快でうたた寝もできない。口の回りに粉が吹いている。
ホテルのロビーでは飛行機などの欠航のため、島を出られない人たちが台風の通過を待っている。
台風の移動速度は極めて遅い。夜、電気が復旧。
次の日ようやく台風が去り、天気は回復。
レンタカーで島を回ると、風や波による建造物の破壊があちこちに見られる。
故障したままの信号あり。ガソリンは一人1500円に制限されている。最終日の夜いつもの居酒屋へ。
なぜか北海道産サンマの刺身がある。客の話によれば3日間停電した地域があったとのこと。
焼酎を飲み過ぎる。
翌朝、満席のYS-11で島を離れる。鹿児島空港でキビナゴずしを買い、機内で食べる。
夜、千葉県船橋市の寿司屋へ行く。刺身のうまさ、日本酒のうまさを再認識する。