走れないタカハシ
ふと気がついたら(というのも変な話かもしれないけれど)
それなりに歳を重ねていた。
確かにロブロイに初めて行った頃は独身だったのに、気がつくと(?)我が長女が高校生になっている。やっぱり、歳をとっているのである。
そのせいかもしれないけれど、最近、「健康」ということが気になるようになってきた。
かつては、深夜まで平気で深酒をしていたし、タバコもスパスパ吸っていた。
禁煙を始めた人々には
「少しくらい不健康・不健全な方がエエんだよ。人間、毒ってもんも多少は必要だぜ」
などとホザイてもいた。
それが、なぜか最近、妙に「健康」ということが気に掛かるようになっている。
これは、もしかすると、僕は本当に歳をとってきたのかもしれない・・・・・。
そこで、取りあえず、「禁煙」をすることにした。
「酒には『百薬の長』って言葉もあるけれど、タバコは、その箱にも『健康のため吸い過ぎに注意しましょう』なんて書いてあるくらいだし・・・・」
ってな分かったような分からないような「理屈」で。
でも、これがよくなかった。
何日かするうちに些細なことにイライラし、ストレスを感じ、集中力を欠いてしまうようになってしまった。
「これはイカン。怒りっぽくなって逆に周囲に迷惑かけてしまうかもしれないぞ」
と反省(?)した僕は、何の躊躇いも恥も外聞もなく再びフィルターを口にしていた。
だがしかし。また何日かするうちに、僕の心の中の神様が僕に
「そんな意志の弱いことでドウすんの?」
って顔を向けてきて、気弱な僕は神様には逆らえず、スーパーに禁煙用のアメを買いに走るのである。
ところがところが、またまた数日後。今度は、僕の心の中の魔女が僕に
「そんな軟弱でドウすんのよ?少しは不良の方が魅力的だわよ」
って耳元で囁きかけてきて・・・・・・。
タバコをめぐって、神様と魔女の御機嫌をうかがいながら僕はダッチロールを繰り返す、そんな日々が最近続いている。
この先、僕は、いったいどうなってしまうんだろうか?
なお、余談だが。
「健康」が気になり始めた僕は、得意の勢い(?)で、生まれて初めて「人間ドック」なるものに申し込んでしまい、
その当日が刻一刻と近づくにつれ妙にドキドキしているのである。
一体ナニをナニされるのか・・・・・・・・。
本当に、僕は・・・・・・・・・・?