我が店の、壁という壁はほとんどパブ・ミラー、パブ・トレイ、写真などで埋められている。
もちろん一部の(音楽グッズ)を除いて全て洋酒に関する物である。
その中にジグソーパズルが何故か二枚ある。
一枚はテネシー・ウィスキーのジャック・ダニエルのラベルの図柄、
もう一枚はビールのバドワイザーである。どちらも500ピースのようである。
その昔、たぶん二十年近く前になるだろうが、お客とカウンターで作ったものである。
店でジグソーパズルが出来るという、なんという“凄さ”“平和さ”(暇さ)であろう。
(といってもその“凄さ”“平和さ”は今でも変わらない・・・)
その二十年前くらい前によく来てくれていた金沢の薬科大学(今は総合大学になりつつある)を卒業した連中が先日9人で来てくれた。
創立30周年という事で方々から駆けつけたようである。
時代が違うのか今の現役の学生さんは来てくれないが、たまに教授と称する方々が寄ってくれる。
ともあれ、久しぶりに彼らもロブロイが懐かしいようであった。全員が40代になっており、それぞれいろんな人生を送っているようである。
今までも、これからも色々あるだろうが、いまは今の人生である。
その彼らの当時仲の良かった、また良く飲みに来てくれた大阪のH君(かなりの酒豪)は残念ながら数年前に亡くなってしまった。
当時彼が好きだったバーボンをグラスに注ぎ、カウンターの前に置き、彼と“供に”みんな飲んでいた。
(彼のグラスにチョコンとグラスを当て乾杯しながら目を濡らしている者も何人かいたが)
やがて深夜12時を回り、そのグループの中心人物でもある川口君(名古屋在住)のたまたま44回目の誕生日という事で、
また当時軽音楽部もおり、バースデーソングも含め(僕もチョッとハーモニカを吹いたり)しながら朝まで大いに盛り上がった。
僕もまた大いに楽しませてもらった。
次の日の夜「今帰りついた。44年間で一番楽しい誕生日だった、有難う」という電話をくれた。
しかしそれは僕の台詞だ。「いい時間をありがとう」
その当時の話になるが、良く彼らとクイズを出し合って遊んだ事を思い出す。
もともと昔のバーテンは、カウンターで上手く遊んでいたものである。ダイス(サイコロ複数を立てる)や、
マッチの軸で図形を作り、2〜3本だけ動かし、別の図形にする。というクイズなど流行っていたものである。
また直線でTの字を書き、そこに直線を三本引き、三角形を五個作れとか、Hの字にしてやはり三本で今度は三角形を七個作れ、
と段々難しくなっていく。いちいち書いていたらきりがないが、ともあれ一時期彼らの間ではロブロイを“クイズバー”と称していたらしい。
そこで当時出題したかどうかは定かではないが、昔からあるちょっとした数字のマジックを思い出したので書いて(出題)してみよう。
昔の話です。
男3人が宿屋へ泊まりに行きました。宿賃は30円です。
10円ずつ出し仲居さんに渡し、帳場へ持って行かせました。
すると番頭さんがサービスだと言って5円負けてくれました。
それを中居さんは3人の処へ持ってくる途中2円誤魔化しました。
残りの3円を一人ずつに返しました。
するとそれぞれ9円ずつ払った事になります。
3人×9円=27円です。
仲居がチョロまかした2円を足しても29円にしかなりません。
さて残りの一円は何処へ行ったのでしょう・・・・・。
よく冷えたビールの美味しい季節になりました。ゴクッ、ゴクッと飲りながら考えてみましょう。