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(C)2003
Somekawa & vafirs

金沢 BAR <主のひとり言>

お雑煮のお話です

さてこの時期といいますか、年末・年始となると相変わらずおんなじような事を、どうしても書いてしまいます。
今回もです、あしからず。

正月といいますとまずは飲兵衛のこと、お屠蘇に始まります。
おつまみは当然豪華なお節になり、腹がへったらお雑煮を食べる。
そして頃合いを見計らって初詣に出かけましょう。
気分すっきり、酉年もいい年となるはずです。

という事でお雑煮ですが、調べてみるとまあ全国色々あるようです。
各県によって違うどころか、各県内でも違うようです。
わが石川県でも加賀地区は済まし汁に紅白の餅にネギをちょいと添えるだけの何ともシンプルな雑煮のようです。
また能登の方では塩善哉に餅という変わり種。
奥能登の方では具に鶏肉を使うようです。
また贅沢に岩ノリを入れるところもあるようです。
とまあ県内でもこれくらい違うようですので、全国では、と考えるとキリがないのでは、と思います。

全国のちょっと変わり雑煮を上げてみましょう。
熊本ではなんと納豆雑煮、福岡の茶碗蒸し雑煮(卵と旨く合うようです)。 
広島といいますと牡蠣(カキ)、当然のように牡蠣入り雑煮(さすがです)。
鳥取は善哉の発祥の地だそうで、そのまま甘い善哉に餅が入っているようです。

福井になると、昆布だしに餅を入れ、その上に黒砂糖がのっかている変わり種。
寒ブリ所、富山では小ぶりのブリをフクラギと言いますが。
漢字で書くと「福来魚」と書き、いかにも福を持ってくる魚のようです。
富山は我が嫁さんの実家があるのですが、そこは奥能登のように鶏肉が入っております。

みそ煮込みウドンとくると名古屋ですが、何故かお隣三重ではその名も、あの赤みそを使った味噌煮込み雑煮だそうです。
京都また丹後地方になると、味噌でも白みそ仕立てになり、白いというと茨城では豆腐をのばし、見た目白いお汁粉のような雑煮のようです。

海のない長野ですが、何故か塩漬けブリ。
また塩ジャケと魚介雑煮の不思議。
新潟も塩ジャケ雑煮のようです。
北海道も当然サケやイクラを入れるようです。(美味そうです)
しょっつる鍋で有名な秋田では、そのまましょっつる雑煮(男鹿雑煮)と呼ぶのだそうです。

かつて日本を代表する捕鯨基地があったという八戸周辺では、当然のように皮クジラを入れ、他に大根・人参・ゴボウなど具沢山雑煮となるようです。
とにかく色々。
岩手ではアワビやイクラなど海の幸たっぷり雑煮。
それどころか、おいしいどころを食べた後、餅を別に用意した「くるみダレ」に付けて食べる、なんとも豪華版のようです。
ぜひ食べてみたいものです。

宮城(仙台雑煮)では焼きハゼで、取ったダシに豆腐・ズイキ・ゴボウなど具沢山の上にお椀から飛び出すほどの大きな焼きハゼが「どやぁー」と言わんばかりにのっかっている、これまた豪華版のようです。

福島は「会津こづゆ雑煮」と言ってホタテの貝柱でダシをとり、凍豆腐や野菜・糸こんにゃく・豆麩などを入れる。
汁の美味しさは格別だそうです。

千葉では九十九里浜でとれる「はばのり」をのせた磯の香りたっぷり雑煮。
それには理由があって「幅をきかす」からきているようです。

とまあ色々書いてみましたが、お節にそれなりに理由があるように、雑煮も地域のよっては理由があるようです。
焼いた餅、また焼かない餅とありますが、白い餅は「城」と見立て「焼いてはならん」。
菜っ葉は「名」上げると掛け、ダシをすまし仕立てにするのは「ミソをつけてはならん」などなどの理由からきているようです。

さて西と東の違い。
たとえば西は青ネギ、東は白ネギ。
うなぎのさばき方、またおでんなども関西の方では「関東煮」といいます。
で、最後に餅になりますが、これもやっぱり西は丸餅、東は角餅と別れるようですが、さてどっから分かれるのか、となると金沢が分岐点なのだそうです。
だからなのか、先日テレビであるスーパーの中継をしていましたが、分岐点らしくほぼ半分、半分の売れゆきとの事でした。

ここに列挙したのはほんの一部、皆さまのお雑煮、どんなお雑煮でしょうか。
雑煮大好き人間ですが、毎年のこと、正月はいいですねえ〜、いつもは洋酒ですが正月だけは日本酒三昧です。
雑煮も日本酒も、正月はまた格別です。

皆さま、2017年・酉年、よい年となりますよう。

<主のひとり言>  毎・月半ば更新いたします。