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(C)2003
Somekawa & vafirs

『ロブロイ ホロヨイ』

三原千明

トントントンと細く長い階段を上りながらワクワク気分で入ったのが、この日2件目・ロブロイ。
女性のわりに、とことんアルコールとの相性がいい私だが、転職して2ヶ月、口元をキュッと閉めジワジワ緩める度数高めの柑橘系のマスターオリジナルで乾杯。
久々のお酒で私の陽気さも復活。
そんなこんなで“ロブロイ ホロヨイ”そう韻を踏みたくなるのが、私のこの店の最初の印象だ。

実はワタクシ、数ヶ月前までは、ニュースキャスター。
現在は、バレーボール女子・PFUブルーキャッツの広報。
そう、「PFUブルーキャッツ」でピンときた貴方はさすがロブロイ好き♪
前回のロブロイの日々を綴ったF部長の同僚で、この店を教えて頂いた。
話すプロとして10年ほどアナウンスを磨いてきたが、書き物はまぁ不得意。
マスターとロブロイファンの皆さまには僭越ながら綴ってゆきます。
お付き合い下さい。

私にとってはお酒と転職は縁深い。
社会人一年目、東京のIT企業に就職。
アナウンサー受験タイムオーバーが故の選択だった。
納得のいかないまま社会人生活が始まり、浮かない日々が続いた。
まだお酒の種類も飲み方も知らない若いワタクシだったが、ある時、知り合いがバーで勧めてくれたのが「ボンベイ・サファイア」。
ロック、ライムつき。
高級ラインではない、それでもなんだか一歩大人の世界に踏み出した気分で、ビールでもなく可愛らしいカクテルでもなく、 ちょっと背伸びをして頼める一杯に出会えたことにホロヨイ。
そんなボンベイの力もあって、当時浮かない私の日々の裏側に宿っていた夢追人の思いがフツフツと込み上げてくる。
飲めば飲むほど、思いと行動が加速。。。
気付けば、落ち着く味。
アナウンサーの夢を掴ませてくれた転職ドリンクだ。
ほんとうは、初めて飲んだ時、なんて苦い味!まずい!と思ったのにな。

今年、10年越しに転職。
ロブロイの扉を開けて、なんだか求めたくなったのがあの味。
しかし、マスターは「ない」ときっぱり。
ボンベイ・サファイアはロブロイにはない。
それでも、他愛もない話をしながら手を動かし出してくれた一杯は・・・私の転職ドリンクの味。
「なんで?」「なんで?」と聞いても、マスターはポーカーフェイス(笑)。
そんなしょうもないやりとりもホロヨイなワタクシには楽しく、気分上々、急に今の仕事の話にもスイッチが入り語り始める。
気分がいいのだ。
私の新たな道への満足度を量る転職成功ドリンクだ。
よくお酒を知る皆さんにとっては、鼻で笑われるような話なのかもしれないが、ワタクシなりの馴染みの味があって、その一杯一杯が自分の人生の節目を語れるのは、 こうして綴りながら、面白いなと思う。
これは自分にホロヨイですね・・・
それでは、また、ロブロイでホロヨイの日まで。

<ロブロイストの日々>  毎・月始め更新いたします。