西川正一郎
「金曜日までに先方に見せるための資料を提出して欲しい」
業務でこう頼まれると、何曜日の何時頃に書類を提出するだろうか。
(以下の考察は、雑誌とテレビの受け売りであるとともに、私の体験を少し加味した物と言うことを、お断りしておく。)
例として出した文章には「金曜日」という「曖昧」な「締め切り」がある。
この「金曜日まで」という締め切りをどう受け止めるかは、大別して2つのタイプに分かれるらしい。
金曜日の業務が始まる朝一番が締め切りと受け止める人と、金曜日の23時59分59秒が締め切りと受け止める人だ。
前者を前倒しの考え方、後者を後ろ倒しの考え方とでも表現しておこう。
前倒し派の人の中には木曜の朝に提出する人もいて、逆に後ろ倒し派の中には月曜の朝に提出する人もいるらしい。
私はというと後ろ倒し派で、状況によっては月曜の朝に提出してしまうかもしれない。
前倒し派は、締め切りが金曜日までと言うことは、金曜日にその案件について議論するのかもしれないから、金曜の朝には書類が揃っている必要がある。
少なくとも金曜に会社を離れる前に関係者全員が資料に目を通す方が良いのではないか、と考えるらしい。
一方、後ろ倒し派は、締め切りが金曜日までと言うことは月曜の朝に全員で共有できていればいいのだろうから、それならば金曜日ではなく週末の間に提出したことにすればいいだろう、と考える。
今回の例文による頼まれ方をしたのであれば、両方とも間違いと言えない。
この前倒し派と後ろ倒し派、半々ぐらいの割合で存在するらしい。
私の周りで検証したところ、若干後ろ倒し派の方が多かった。
業務という面から見た場合、前倒し派と後ろ倒し派の組み合わせが悪いチームは、良い結果が出ないことが多いと言うことだ。
前倒し派からすると、後ろ倒し派の提出時期は、金曜日が締め切りなのに遅れると言うことは何事だ!となり、
後ろ倒し派からすれば、前倒し派の提出時期は、締め切り前に資料を出してしまうと言うことは、内容を吟味していないに違いない!となる。
多くの人は、経験値により、金曜日の夕方頃提出すればトラブルになることが少ないということを感じているらしい。
このタイプ分けは、様々な事例にも当てはまるはずなので、前倒し派と後ろ倒し派がいると言うことを認識しておくと、自身のイライラが少しは緩和するかもしれない。
もうひとつ。
「予定は決定」派と「予定は未定」派。
こちらもおよそ半々の割合で存在するらしい。
とある日の昼休み
「おい、昼飯食いに行こうぜ」
「いいよ」
「A君とBさんもいっしょに行くか〜」
「はい、是非」「行きます〜」
「新しく出来た、角のラーメン屋が美味いらしいから、そこにしよう」
「い〜ですね」「行ってみたいですね〜」「おぅ行こう」
4人は新しく出来た人気のラーメン店へ
しかし
そこには長い行列ができていた。
店員に問い合わせると恐らく待ち時間は30分程度で、昼休み中には戻れそうな感じもする。
2件隣には、まあまあ人気店のカレー屋さんがあり、こちらはすぐには入れそうだ
「カレーにするか」
「そうしましょうか」
すると
「いや、ウチらはラーメンを食べに来たんだから、このまま待とう」
「そ〜ですよね〜」
「でも、カレーならすぐに食べられるよ」
「そ〜ですよ、すぐに食べられますよ」
「いや、ラーメンにしようって言ったのおまえだろ」
「だけど、行列できてるしカレーも美味いよ」
「ラーメン食べるって言って出てきたじゃないか、だからラーメンを食べる」
「時間がかかるんだから、カレーでもい〜だろ」
「いや、ラーメン」
「そんなこと言わずに、すぐに食べられるカレーにしよう」
ラーメンだ、カレーにしよう、そうだカレーだよ、だめだラーメンしかない
変えない、変える、変えようよ、変えてどうする、カレー、ラーメン 変えない、変える
議論は平行線
ラーメンを食べると言う予定を立てた段階で、ラーメンを食べると決めていた人と、ラーメンを食べる予定で出てきたのだけれども、それはあくまで予定であって、事情が変われば変更して構わないという人。
「予定は決定」の人と、「予定は未定」の人。
私はと言うと、「予定は未定」派で、私のまわりは「予定は決定」派が若干多かった。
どちらが優れていると言うわけではなく、「予定は決定」派は、ぶれない姿勢ややり遂げる能力等が高いと言われ、「予定は未定」派は、柔軟性や物事に対応する能力などが高いらしい。
大雑把な分類なので、状況によって変わると言う人もいるとは思うが、業務においてはプロジェクト内容でチーム内にバランス良く配置することで成果がかなり違うと言うことだ。
普段の対人関係においても、これらのことを念頭に置けば少しは今までよりは良い結果を得られるかもしれない。
書いている私はと言うと、そんなことを気にしたことはないので、説得力は全くない。
そして現在時刻は、5月31日、午後11時20分。
ギリギリだが約束の入稿時間に間に合う(!?)はずだ。
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