そのいち:名前のひみつ
「P兵器」という呼称は、このサイトを立ち上げる際にペットボトルロケット兵器の総称として自分が
勝手に着けたものなのだが、現在では何人かのペットボトルロケット兵器研究者(大笑)の中でもこ の呼称が通じるようになっている。
開発当初は「ペットボトル・ランチャー」、略して「PBR」などと呼んでいて、試作T型などは「XPB
R−001」(Xは試作機の意)というコードネームが(自分の脳内で)付けられていたものだ(w
その後は単純に「ペットボトルバズーカ」とか呼ばれていたが、自分としては旧軍がロケット推進
の兵器を「呂式(ロ式)○○」、ロケット弾を「噴進弾」なんて呼ぶのを文字って「ペ式噴進弾(砲)」と か、「ペ号兵器」などという真面目だか間抜けなんだか良く分からない名前を付けていた。
そして、このサイトに掲載するにあたって、旧軍っぽいものが人によっては拒絶反応が出るかもし
れないと思い「P兵器」と呼称を改めた。
これは「機甲戦記ドラグナー」というアニメの序盤で、秘密兵器であるドラグナーのことを「D兵器」と
呼んでいたものが元ネタだということに気付いている人がどれだけいることか。
まぁ、「P兵器」はあくまで総称なわけだから、今作っているもの(パズー型改)も「YPBR-006B
Type-Pazzu」(Yは先行量産型の意)とか「ペ式噴進砲ぱずう型改」とか呼ぶべきなのかもしれな い。
なお、最近開発中のものには「サイサリス(アトミックバズーカ)」だの「ハルコンネン」だのと、元
ネタそのまんまな個別名称が付いているのだけど、今の時点では「開発段階からご立派な名前が 付いているものは完成しない」という法則ができてしまっているようだ(苦笑)。
そのに:P兵器戦術の理想と現実
P兵器を実戦投入する際に期待されたのは、「アウトレンジからの攻撃」であった。
ペットボトルロケットに関する記述を見ると、どれも飛距離は100m以上で、200メートル近く飛ん
だという記録も少なくない。
これだけのアドバンテージがあれば、戦線の後方からの攻撃が(精度は低いながらも)可能となる
はずであった。
しかし、砲弾として使用することによる諸々の制約から実際の射程距離はせいぜい50mで、と
ても高性能な電動ガン相手にアウトレンジ攻撃などできはしない。
仮にそれ以上飛んだとしても、基本的にサバゲのフィールドというものは見通しが悪いので、ただ
でさえ命中率が絶望的なものになってしまう。
さらに、改良が進んだ現在でも全く予定外の方向に飛んだり、飛距離が伸びない可能性が無くな
らないため、自分より前方に味方がいる状況ではとてもではないが発射できたものじゃない。
結果として、P兵器の実戦での戦術は「誰よりも前に出て、戦線の最前列から攻撃する」が基本
になってしまい、全くもって当初の理想には程遠いのである。
現在は射程延長の試みは棚上げにされ、現状の戦術にあわせた攻撃力重視型の弾頭開発に
力が入れられている。
しかし、いつかは自陣から敵本陣を直接攻撃できるような「フラッグ間弾道弾」を実戦導入したい
と夢想していたりもするのである。
そのさん:魅惑のアルミ砲弾
自分がP兵器開発を始めたのと時を同じくして、ビール業界に一つの新商品が発売された。それ
はスタイニーボトルと呼ばれるペットボトル型のアルミ缶に入った缶ビールである。
早速購入してみたところ、口径、キャップの規格、耐圧性共に問題なく、P兵器の砲弾に転用可
能であった。
しかし、我が家ではそんなにビールを消費しない。飲んだとしてもスーパードライ&エビス派なの
で、スタイニーボトルで出ているキリンラガーと黒ラベルは全く需要がない。
仕方がないので、スタイニーボトル入りのビールを入れたクーラーボックスをフィールドに持ち込ん
で皆に消費してもらった。
自分などは、「突撃→死亡→セーフティーゾーンで冷えたビールを飲む→テンション上がる→
次のゲームでさらに突撃」ということをやっていて非常に楽しかったうえに、あまり好きではなかっ たラガーや黒ラベル(大学時代に体育会系飲み会で文字通り浴びるほど飲まされていたため)が好 きになったというおまけも付いてきた。
ただ、今考えるとちょっと危なかったかもしれない。
さて、そうやって数を確保したスタイニーボトルを材料とした弾頭に期待されたのは「弾道の安定」
と「見た目の美しさ」だったのだが、これは正直期待はずれであった。「金属製なのだからプラ素材 のものより安定して飛ぶに違いない」との先入観は、薄くて軽い日本のアルミ加工技術の前に、文 字通り吹き飛ばされてしまった。
「見た目」についても、スタイニーボトルはボトルに直接印刷が施されているので、そのままでは金
属地の美しい砲弾にはならない。サンドペーパーでこすり落とそうとしてみたが、あまりに手間がか かるので断念した。(最近はペットボトル同様に樹脂フィルムを捲いただけのものもあるので銀色の 砲弾を作ることも出来るようになった)
他にも短所として「透明じゃないので水の装填が面倒」「ぶつけてへこむと復元しない」「キャッ
プのねじ山がたるいのでエア漏れしやすい」などがあるのだが、HESH弾が開発されるまでのか なり長い間、このスタイニーボトル製弾頭が主力として使用されていた。
射程は伸びないもののBB弾の散布能力に優れていたことが、当時使用していたフィールドに合っ
ていたということもあるが、なにより独特の発射音がたまらないのである。最近はあの金属のこす れる「シャッコオォォーン」という音を聞いていないので少し寂しい気もする。
そのよん:幻のロケット砲戦車
P兵器開発初期、繰り返し実戦投入しているにもかかわらず、一向に戦果は上がらなかった(今も
そうなんだけど)。
そこで、P兵器開発の同士であったY伍長は「装甲車両ならばベストなポジションから発射でき
る!」として土木用ネコ車のフレームを流用した「野戦砲」を造ってしまった。
もちろん一般的なルール(装備品に被弾した場合も死亡とみなす)では役に立たないので、急遽
特別ルールも取り決められた。
戦車を投入するゲームはいくつもあるだろうが、その目的が「ペットボトルロケットを有効に使うた
め」であったのは我々くらいだろう(笑)。
そして、その戦車に発射可能な「大砲」が装備されていたのも。
さて、その「野戦砲」の戦果であるが、自分の記憶している限り、残念ながらP兵器としての戦果は
ゼロであった。
むしろ、その陰に隠れて進撃する戦車随伴歩兵の存在の方が戦力としては有効であった。
しかし、その存在感と目に見えるところから大砲が発射される迫力は、確実に皆の記憶に残り、適
度な「使えなさ」がゲームバランスを崩すこともなく(電動ガンが装備されていたら強すぎて文句が出 ただろう)、ゲーム参加者からは非常に好評であった。(自分がRPG型P兵器で突撃したのもこい つだ)
全国のイロモノ好きサバゲーマーさんはぜひ導入されてはどうかと思う(笑)。
さてさて、同士がそんな面白いものを造ったとあっては、自分が黙っていられようはずもなく、こちら
も負けずに「ロケット砲戦車」の開発に着手した。
ガーデニング用の手押し車に塩ビパイプでフレームを組んで布を貼るという方法で製作された。
「組み立て式戦車」という画期的な兵器(笑)の完成を自画自賛しつつ実戦投入……したのだが、 なんと走行の振動で塩ビフレームのジョイントが外れ、敵と遭遇する前に自壊してしまったのであっ た(大笑)。
ちなみに、残った台車はその日のゲームで荷物の運搬にとても重宝されましたとさ(笑)。
この失敗を踏まえ、合板を強固に組んだ新型ロケット砲戦車の製作に着手し、メインフレームは完
成させたものの、その後諸事情にてしばらくサバゲに参加しなくなった為、それは「幻のロケット砲 戦車」(外観はM7プリーストを模していたので正確には「自走砲」だが)となってしまった。
残念な気もするが、今冷静に考えると、流石にやり過ぎという気もするのでかえって良かったのか
も知れない(苦笑)。
幻のロケット砲戦車製作工程
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