21.家族問題調整について


ケアマネージャーが悩むこと

ケアマネの支援の中でいくつか悩むケースに絶対に
入っているのが家族調整である。
家族調整に悩むケースを挙げてみると・・・・・

@利用者本人と嫁の間が最悪でケアプランを立てても
相互に不満足であり、あちらを立てればこちらが立たない
という苦しい立場に立たされる。

A利用者本人を一生懸命介護されているが、がんばりすぎて
介護負担が多い介護者が時折、本人を叩いてしまう。

B扶養者である息子と嫁の中が最悪で、息子の望むプラン
を立てると嫁が文句を言い、嫁の望むプランを立てると
息子が文句を言う。

C介護は嫁がするものだという考えが強く、ケアマネが
嫁の体を心配してサービス量を増やそうとしてもできない。
ええい、もう一つ・

D老健施設に入所したが、とっても元気になった。いくら
在宅での生活をすすめても家族は納得しない。そのうち、
本人も在宅生活の意欲を失っていく。

はぁ〜キリがない。要するに、ケアマネの関わるケースは
純粋に介護的なもの、経済的なもの、医療的なものとそれぞれ
判断が難しいケースはあるのだけど、その家族特有の問題が
発生している場合、どのように関わっていけばいいのか?
もちろん、ややこしいのは上に挙げた家族調整が必要なケース
は往々にして、介護、医療、経済、社会問題とも密接に絡み
合うことが多く、経済問題や医療的な支援をいくら処理しても
悪循環は変わらず、自分のやっていたマネジメントが実は、
対症療法的なもので根治するには家族問題があったと気づくこ
とも多いでしょう。

私は、この問題については明確な回答は持っていません。
ただ、最初の「家族とは何か」で述べた社会学的考察は当然の
こととして具体的に現場はどのように考えたらいいのか、皆さん
と一緒にすすめて行きたいと考えています。

私が当初、家族問題をアップした時に数枚のメールをいただきました。
その中には、家族を崩壊させる考え方だ!日本の家族はまだまだ
大丈夫です。などという意見をいただきました。
この意見は、大方の見方なのかも知れません。しかし、こういった
意見がそのまま家族問題を引き起こす原因の1つであることも分かります。

「介護は社会で面倒みていくもの」か「自分の親は自分が看る」なのか?
介護保険制度導入の社会構造の流れをみていると答えは明らかなのですが
現場ではそう簡単に割り切れるものではありませんね。
いいケアマネになるには、この家族問題に真正面から取り組んでいくことが
必要なのかもしれません。