さあ今年もまた一年、飲兵衛人生がは始まったわけであるが、今更どうでもいいような気もするが、その飲兵衛たるもの素朴な疑問として「飲兵衛」の語源について書いてみよう。
まずは素直に辞書で引いてみる。
「飲兵衛」=大酒飲み、飲み助、飲んだくれ、と載っている。
飲み助は飲兵衛同様、酔っ払いじじいとして、「飲んだくれ」はどうかというと残念ながら手元の辞書には載っていない。
そこであれこれ酒にまつわる本をめくっているとあったあった。
「酒・雑学百科」永山久夫に載っていた。
「飲んだくれ」の語源はというと「飲んだ、またくれ」という意味、らしい。
飲みだしたら杯を離そうとしない酔漢のことらしい。
“飲んだ、またくれ”とは実に分かりやすく面白い。
ついでに「酔いどれ」も載っている。
一般に足元もおぼつかない程飲んだ人を酔いどれというが「酔い倒れ」が訛ったものらしい。
なるほど、という気がしないでもない。
そのままめくっていくと、少々酔った状態を「なまよい」。
で、真っ赤になるほど酔った状態を「酔っ払い」。
その次に「酔いどれ」、とまあだんだんランク?が上がってゆく。
そしてぐでんぐでんになって立っていられない状態が「ずぶ六」というらしい。
なんで“ずぶ六”なのかまでは残念ながら書いていない。
ちなみに我が故郷である鹿児島では飲んだくれの事を「酒喰い」と言っていたが、おそらく酒に喰らい付くようにむさぼり飲む事をいうのだろう。
また「えくろ」とも言っていたが、これについては良く分からない。
変わったところでは「泥ぼう」。
これは静岡県だそうだが、これは盗人の「泥棒」ではなく、酔うと泥のようにドロドロになる人のことをいうらしい。
たしかに「泥酔い」(どろよい)と呼ぶところもあるらしいが、もちろん共通語?として「泥酔(でいすい)」がある事は一応書いておかねば。
さて飲み助、酔っ払い、飲んだくれ、酔いどれ、ずぶ六とまあ、言葉の響きとしてどれもこれもすっきり感、まして爽やか感がないというのは、どう考えても綺麗な状態のことを表現しているわけではないのでしょうがない事かもしれない。
あと「へべれけ」という表現もあるが、日本語であるような、無いような響き、これなども語源はどこから来たのだろう。
その飲兵衛たち?の延長上というか、共通することに「はしご酒」というのがある。
次から次へと場所(酒場)を変えながら杯は進み、と同時に酔いもどんどん上がっていく、というような解釈だろう。
はしご酒のことをアメリカでは「バー・ホッピング」というらしい。
イギリスではどうかというと「バー・クローリング」となるらしい。
前者は次から次へと跳ねるように、後者は這いずるように次の店へ行く。
こっちの方が「泥酔い」に近い。
いずれにしろかたや跳ねながら、かたや這いずりながらと、何やら「お国柄」を表してるいるような気がしないでもない。
底抜けに明るそうなイタリアなどでは、と興味は尽きないが残念ながら手元の書誌には載っていない。
何となく内容があるようで、実はどうでもいい事をだらだらと書いてきたが、もともとドロドロの酔いどれ飲兵衛のはなし、こんなものだろう。
さて今日も飲んだくれと、酔っ払いについて語り、飲みながら、ずぶ六になる事にしよう。成長しないなあ・・・。