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(C)2003
Somekawa & vafirs

金沢 BAR <主のひとり言>

美味しいリキュールの話です

久しぶりに酒の話を書いてみようと思います。
といってもウイスキーやカクテルの話ではなくリキュールの話です。

リキュールというと一般的に「混成酒」。
ようするに出来あがった酒に何かを漬けこむ物であります。
いわば「漬け物」になりますが、漬けたものはあまり食べられません。
なんせ目的はその「酒」にありますから。

日本では何といっても「梅酒」になろうかと思います。
青々とした新鮮な梅を容器に三分の一ほど入れ、氷砂糖をたっぷり、そしてホワイトリカーで満たす。
三か月もすると甘酸っぱいリキュールが出来あがります。
甘いのでお酒に弱い人でも飲めるし、健康にも良いという実に重宝な飲み物です。
外国など昔から教会などで健康酒として色々なリキュールが造られていました。
また中国だと漢方酒として、ほとんど薬として今でも愛用されているようです。
韓国だと朝鮮人参酒になるでしょうか。

僕も過去にちょっと凝った事があり、一時期色々な物を造ってみました。
たとえばカリン(花梨)ですが、これはめずらしく食べられない果物です。
もちろん辞書にも「食に適さない」と書いてあります。
以前お客様に結構な量を頂き、りんごよりややでかいものですが、持った時点で「コリャア食ぇんな」と分かる様な、まるで石を持ったような感触なのです。
試しに食べてみることにして、いざ切ろうとすると固い。
まるで頑固なカボチャであり、なんとか切りかじってみると、味もそっけなく、ほとんど石を食べているようなものでした。
で、カリン酒として造ってみましたが、これまた酒として飲めるものではなく、酒だけに捨てるわけにもいかず、今も片隅に眠っております。

次はクコ(枸杞)ですが、これは中国では漢方酒として、なんと三千年前から薬として飲まれていたらしいのです。
さすが中国です。
三国志は劉備玄徳や諸葛孔明なども飲んでいたのかもしれません。
さすが中国の歴史を感じます。

歴史の事はさておき、まあ色々効くらしく、まずは解毒効果・体質改善や延命効果、不老長寿、、精力増進。
とまぁ、クコ酒を飲んでいれば、延々と生きられそうです。

そんな重宝なものなら、という事で僕も造ってみました。
クコの実だけではなく、葉っぱも一緒に酒に漬けこんでみました。
一ヶ月もすると色づいてきます。
三ヶ月もすると茶色く色づき、いかにも効きそうな漢方薬酒が出来あがりました。
「さて健康になろう」と嫁さんと飲んでみました。
するとその日はともかく、次の日大変な下痢状態となり、ふうふうでありました。
これをもし毎日飲んだとすると、不老長寿どころか、死んでしまうんではないかしらん。

しかしよくよく考えると、下痢するという事は太っている方には上手く使うとダイエットになるかもしれないし、便秘だとするとちょうどよいかも?となります。
結局使い方次第、ということになりそうです。
さすが漢方酒、という事にしておきましょう。
皆さま一度お試しください。
でもお覚悟を・・・。

ただもっと普通に美味しくなるものは沢山あります。
まずはレモン酒ですが、スライスしたレモンを容器に三分の一ほど入れ、氷砂糖を適当に入れ、ホワイトリカーで満たします。
するとほんの一週間ぐらいから飲めるようになります。
素直に旨いです。
また葡萄とか、イチゴなども無難に美味しく出来あがります。
ぜひお試しください。(間違っても下痢はしません)

さて我がロブロイとして今年も造ってみました。
元々僕は生姜が大好きであり、特に「新生姜」が好きなのです。
この新生姜ですが、毎年春になると出てきますが、通常の生姜の「春物」と思いがちですが、結構長く11月ごろまであります。
ようするに新生姜という種類なのでは?、と思います。
冷やしそうめんなどもツユにたっぷり入れるとより美味いです。
また暖かいものだと「釜揚げうどん」にし、これまたツユにたっぷり入れます。
お勧めです。

生姜酒の造り方です。
新生姜を綺麗に洗い、皮は剥きません。
しっかり乾かしちょっと厚めにスライスします。
これも容器の三分の一くらい。
そしてレモンもちょっと入れます。
酒で満たしますが出来たらホワイトリカーより、より純度の高いウォッカの方が美味しく出来あがります。
一ヶ月もすると飲めるようになり、当店はお客様にもうお出ししており、来られるたびに飲んでおられる方もいらっしゃるくらいです。

量に限りがありますが、ぜひ一度飲んで頂きたいものです。
今回はちょっと店の宣伝になってしまいました。
ご勘弁を・・・

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