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(C)2003
Somekawa & vafirs

金沢 BAR <主のひとり言>

風邪・何年ぶりかなぁ〜

久しぶりに風邪をひいてしまった。
「風邪?・・それがどした」と言われそうだが、とにかくひいてしまったのだ。すみません。

昔からいう「何とかは風邪をひかない」ではないが、脳みそが人より少ないのか風邪にはめっぽう強い。
前回いつひいたのか思い出せない。
53歳の時食道ガンの手術をしてから、その後定期的に主治医にお世話になっているが「風邪には気を付けてください」と言われるが、その後今までひいた記憶がない。
もう61歳になったが、手術前、遡ること、数年はひいていないと思うので「50代」はひいていない、という事になる。
脳みそが足りない、というのもちょっとは重宝なところもあるようである。

ところが風邪には強いからといっても病気に強い、という事にはならない。
ちょっと笑える「セコイ」話である。
30歳を過ぎた頃、これは人並みに悩み事があったのか「胃潰瘍」になり、一カ月入院した事がある。現代は画期的な薬が開発され、 よほどでないと胃潰瘍では入院しなくても良いらしい。
まあそんな事はよい。

入院したのはある個人病院である。
当然入院すると潰瘍の治療だけでなく、色々な部位を検査してくれる。
たしか胆のうの写真だったと思うが、「レントゲンだったかエコーだったか?」を取る前に「卵の黄身」を一個飲まされる。
その方が胆のうだけが写りだされるのだそうである。患者としては有難いことだ。
それから毎日体温計を持たされ患者自身が測る。
ある日僕はうっかりしてその体温計を、病室の固いコンクリートへ落としてしまった。
ガシャン、とうぜん割れた。
看護師さん(その頃看護婦さん)に謝ると笑顔で「いいよいいよ」といって変わりの体温計を持ってきてくれた。
そのときの体温は若干上がっていたかもしれない。

さてやがて一ヶ月経ち、退院の日が決まった。
請求書を渡された。
それを見てびっくりした。
その入院費用のべらぼうに高かったのに驚いたのではない。その内訳である。
上記した胆のう検査の「卵の黄身」代100円、体温計の破損代350円、とあった。僕は思わず笑ってしまった。

僕は飲み屋を営っている。
お客様が誤ってグラスを割ることぐらい、何回もあるし、これからもあるだろう。
体温計350円より高いグラスもたくさんある。
もちろんただの一度も請求した事はない。これからもない。
どうりで看護師さんが笑顔で“いいよ、いいよ”というはずだ。
また卵など単純に必要な材料費ではないのか・・・。
ひょっとしてその病院だとカルテを書くのに一枚の用紙が必要である。
カルテの用紙一枚「10円」と書いてあったかもしれないが、卵一個100円で驚いてしまったのでそこまで目がいかなかった。
退院しても薬はしばらくは服用しなければいけないらしいが、たまたままだ結婚はしていなかったが、今の嫁さんが他の病院に勤めておりそこで処方してもらった。
ちょうど30年前の話である。

風邪から取りとめのない話になったが、胆のうの検査はできたら拒否し、体温計は落とさないように致しましょう。

実に久しぶりに風邪をひき、熱も38度5分から下がらず、咳も止まらず、間違いなくこれは風邪。
これにより、ひとより脳みその少ない僕が、ちょっと人並みに近づいたのかなあ、とまあ、ゴホン、ゴホンと咳をしながら、ちょっとホッとしております。

<主のひとり言>  毎・月半ば更新いたします。