「総理は自分が十年以上自民党の中にいて、その体質が身に付いてしまっている事に気が付いていない」田中真紀子外相(もと)の国会での答弁である。さすが、もと総理(田中角栄)の娘である。ヒトを見る目は確かなようだ。田中角栄と言う人は、一目見ただけでその人間が役に立つ(自分にとって)か、どうか判断したそうだ。おやじが自分のいい所(?)を国民にアピールするのが天才的であったように、娘もスゴイ。その役者ぶりは小泉純一郎の比ではなさそうだ。自民党も任期を利用しようとしたが、逆に母屋をねとられそうになり、あわてて首を切った、とういう所か。自民党の中では、掃き溜めに鶴という感じで益々人気が出そうである。とろこで、改革々々といい続けている小泉総理だが、前回に六〇〜七〇年代に学生(大学生)であった人間(今は五〇才〜六〇才)の改革々々という言葉には注意しろ、と書いたが、やはりあの当時、改革(大学改革)と呼んでいた人間の「自分が学歴社会の体質が身についてしまっている事に気が付いていない」と思ってしまう。さらに悪い事に、改革々々といっている議員が二世(小泉総理も)であるという事で、古い体質(親の代からの地盤で議員になっている。あのムネオハウスの実質オーナーのように、ありとあらゆる手段(?)で、議員の地位を手に入れた人間と異なって、親の七光りで議員になったのも、今一つ信用できない。改革の急先鋒として、小泉総理と一緒に騒がれた加藤紘一議員(秘書が脱税容疑でピンチ)も「私も学生運動に参加した。今でもカラオケでの十八番は『いちご白書をもう一度』だと言っていた。どうもあの当時の自分の体質が変らないのに、カッコのいい事だけ言う、というその体質は変っていないようだ。自民党の長老が言っていた「政治家の五〇、六〇はまだひよっこ、青臭い事を言っている(小泉)のも仕方ないか」という言葉がやたらと真実を帯びて聞こえて来る。
|