『御 文(おふみ)』
本願寺八世蓮如(1415〜1499)が門徒に書き与えた寛正二年(1461)から明応七年(1498)にかけての法話。蓮如みずから御文と称し、大谷派でも御文とよぶが、本願寺派では御文章(ごぶんしょう)という。また、勧章・宝章などともいう。真宗の信仰のありかたを消息体(書簡形式)で平易に説き、真宗普及に果した役割は大きい。真偽未決のものを除いて二百二十一通が伝えられており、広く流布され、現在も勤行や説教、法話のあとなどに読まれている。また、戦国時代の一向一揆のようすを知る史料としても重要である。
(『真宗小事典』 瓜生津隆真、細川行信 編 法蔵館 より)