軒下 2 エンジン関係
エンジン 前項の続き(80年代末)です。 この時はまだエンジン内部というものを触った事すらありませんでした。 いきなり4気筒…無謀ですね。(笑) そういう訳で、主な目的は「ピストンリングの交換」でした。 力量不足にて腰下(クランクケース)割りを行えませんでしたが、距離も伸びた今、やはり気になります。 今現在の最重要課題です。(近々、たぶん、いずれ…予定しています。誰か助けて下さい!) それと私の「最重要課題」と「一生のお願い」は一つとは限りません。(笑) |
真っ黒くろすけ?
分解手順はS.Mに従いましたが…見様見真似。 ほとんどSST(特殊工具)は必要ありませんが、 バルブスプリングコンプレッサーは必要です。 (どこまでをSSTと呼ぶのかしらん?)
オイル下がりが原因と思われますが、焦げた煎餅 のような分厚いカーボンがこびり付いてました。 バルブ傘の裏もゴッテリです。 3万キロ台でこんなに…ってな感じでしたね。 排気バルブの焼けかたも対象的。 実は10代の頃からトルクが不足気味とは感じて いたのですが…直し甲斐がありそうですね。 シリンダー内壁が煤けているのもパワーロスの証 …って、やはりオイル上がりもですね。(^_^;)
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お掃除
熱効率や流体力学上の効果があれば良いのですが、そういう理屈とは無縁の私… 研磨というか、ほとんどお掃除です。カーボンの分は軽くなるかな…慣性力学? |
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ほとんどアルミですので無理は禁物ですが、最後はバフ研磨で、そこそこ鏡面っぽくなりました。 バルブフェイスの浮き文字はタコ棒の吸着に邪魔でしたので削り落としました。 …何て書いてあったのでしょう?(笑) 大雑把な作業でゴメンなさい。 |
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当時、ゴッドハンド・ポップヨシムラの広告でボール盤を買いました…(笑) |
ポート内の表面はザラザラ状でした。 んが、これについては、そこそこの研磨で留める事にしました。 その程度の方が混合気に良いという話も聞きましたが、何故良いのかは忘れました… ま〜気持ちの問題です。(笑) 段差も若干ですが、移行的に修正しました。 などと言いつつ、バルブガイドも交換しないお気楽作業でしたが… ペッタンペッタン♪(タコ棒の音) でも、やはり換えておけば良かった…(T_T) ガイドは後期用の部品が良いとの事。 実のところ、当時はリパーツ屋さんとかの所在さえ知りませんでした。
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フラッシング
空冷エンジンならでは? シリンダーの隙間やスタッドボルト周りに長年の泥がビッシリ こびり付いていました。(さぞや冷却性能も低下していたのでは…) シリンダーを引き上げて外す際、隙間の中で固まっていた泥が崩れて下に落ち、クランク ケース内へボロボロと…分ってはいたものの、なかなか避けようが無いです。 どのみち洗浄を行うつもりでしたので、ピストンを外した後、エンジンを立ててオイルパン を外しましたが、いやはや…その時の泥以外にも、オイルパン全体に異物混じりのヘド ロが溜まっていました。ポンプのストレーナーも3分の1以上塞がっていました。 正直、そのまま乗り続けていたらどうなっていたやら…って事で、お掃除しました。 灯油で薄めたオイルをクリーナーガンで噴射。出るわ出るわ…何かが。(?)
やはり、思い切ってケースを分解したかったです…カムチェーンも交換できたし。 う〜ん、せめてこういう機会に構造や分解方法を勉強しておけば良かったですね。 (…すると結局は分解してたかも?)
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ピストン
再利用です。びっちり付着してたカーボンは意外と 簡単に落ちましたが、不用意に床に置いたりすると、 これも簡単にエッジとかが傷みます。 (ちょびっとやっちゃった。) いたずら程度に重量合わせとかもやってみました。 (新品でやれよ〜!) 何故かオイルリングが分割式になりました。後期の物 が届いたのかとも思いましたが、発注に使用している パーツリストが初期型用の物ですので、逆に古いタイ プだったかもしれません。(笑) 上下順や表裏に注意です。消耗部品と言えど、価格 は現行750クラスの倍以上です。(リングに限らず…)
薄い金属板とホースバンドで簡単なリングコンプレッサー を2個作りました。バンドはホームセンターの農機具の コーナーとかで購入。
クランクを回すと、内壁に塗ったオイルがス〜と、せり上が ってきました。ちょっと嬉しい瞬間。(^^ゞ シリンダースタッドボルトは新品をおごりました。RS用は 欠品でしたので、FX用で発注。何故かパーツリストの サイズ表記が違いますが、「物は同じだろう」と言う店長さん のアドバイスで正解。 組む前にシールコート等で錆止め。 フィンの隙間からキラッ!(笑) って実は、古いスタッドを抜く際に折ってしまったりで… オロオロと一悶着したのは内緒。(^_^;)
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バルブクリアランス
カムチェーンを掛ける際は、カムチェーンギアのマークとゴム板のモール ドラインを間違えないよう注意しましょう。(だはは…) Z2はシム(厚さの違いでカムとバルブ類のクリアランスを調節する部品) がタペットの上(表側)にある外シムです。シムの着脱の際、内シムみた いにカムを外す必要もありませんが、タペットの淵を押し下げたまま固定 しておく為の専用工具を使います。(写真右端。丸い穴は何?)
タペットとの勘合精度の高いパーツですので、タペット上のオイルの油膜 が曲者です。計測に影響しますし、吸盤効果でシムがなかなか外れない 事が多いです。ウェスやしっかりしたピンセット等の柄物も用意です。
とりあえず、以前のシムを入れて組みましたが、バルブの擦り合せでクリ アランスはゼロマイナスですから、計測用に薄いシムを用意します。薄す ぎてクリアランスが大きすぎれば測定が不正確になりますので、計測用 のシムにも何種類か用意すると効率的かもです。
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シムは十数枚程度の購入が必要でした。 確か当時で一枚420円。(これだけは覚えてる) |
実測の微妙な違いを計算中。 シクネスゲージは細かい計測が可能な、枚数の多い物を(一定の抵抗感を得る為に)常に清掃しながら、且つオイルを差しながら…ふぅ… |
当然ながら、テンショナーやカムのメタルやオイルシール等 々も新品に交換しましたが、この程度でも結構な金額になっ た記憶があります。…在庫があっただけマシ? 後期型の部品に変更すると、ボルト類が焼き入れ鋼だったり 樹脂のセンサーが金属製だったりで、お勧めですね。 現在の詳しい在庫状況等は判りませんが、できれば後期型 のパーツリストも持っていたいものです。なかなか面白かった り、口惜しかったり…(笑) 多少の仕様の違いなら簡単な加 工で対応できる事も多いです。
んで、やはり最大の反省はカムチェーンです。これについて、 クランクケースを割らずに交換できる方法を御存知の方はお 教え下さいませ。お願いします。 ズボラなワタクシの切なるお願いですが…甘い?(^_^;)
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後期に金属製となったインジケータ部品です。平穴端子 だった部分がギボシ端子(オス)に変更されています。 これぐらいの対応は簡単ですネ。 新旧のパーツリストを照合して見つける…みたいな作業も楽しいです。
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〜 始動!〜 ある日曜の夕方… いそいそとガソリンタンクを載せていると、ツーリング帰りの仲間達がやって来ました。 ポリの給油器でも良いのですけど、なんとなく儀式だから・・・ 「今日はどうだった?」 「バイク多かったよ〜!…そっちは?」 「今からエンジンかけっぞ〜!」
さすがに緊張します。初めてエンジンをいじりました。 キックをかましてオイルを吸わせます。足ごたえ?が増した感じ。 キーを捻り、チョークレバーを引き上げ、キルスイッチを入れて、 「さ〜いってみっか!」 ドキドキ… ふと振り返ると、カミサンが消火器をかまえてました。 「…いいんじゃない?」 気を取り直してスイッチオン! ビッヒッヒッヒッヒ! ビッヒッヒッヒッヒ! … しーん … 「チョ、チョークいらんかな?」 … しーん … チョークを戻して再トライ。 ビッヒッヒッヒッゴゴゴゴゴンゴンゴンゴ〜〜〜ガオー!! 「おお!」(一同) 高過ぎたアイドルを慌てて下げます。 同時に白煙 拭き残しのオイルが燃える事は予想ど〜りさ! …なんてね。 ドキドキ…
長い数秒間?の煙も消え、空ぶかしを楽しみます。 心なしか以前より太く乾いた音…この吸気音がタマラン♪ 「二・三箇所タペットが…」 「排気は?」 「ツバかけてみ」 「こりゃ!」 一旦エンジンを停め、「ま、これからやな!」 などと煙草を取り出す一同。 マフラーから水滴が落ちます。 「かかったな」 「な!」 「なんでや…」 「あれ消火器は?」 まだまだですが、今日はこれでOK! たまにはちゃんとした理由で乾杯。(笑)
つづく (つづかんてば…)
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オイルクーラー これも最初にレストアした80年代だったと思いますが、 ロックハート600番シリーズのオイルクーラーを取り付けました。 今風のかっちょいい製品が市場に出てきた頃でしたが、レストアだけで、 も〜精一杯の金欠でしたので、コレで我慢。(苦) サーモスタット内蔵がウリ。ラインはIN→OUTの指定があります。 (古い雑誌広告に「コンピューター内蔵」とありますが、電源は不要です。)(^_^;) 効果は上々なので現在も使用中。 個人的にはホースは上側が良いと思います。 (オイル交換の時だけ逆さにするのが面倒ですが…)
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【 補足&お返事メモ 更新日06/07/21 】 >ロックハート社 最近(’05)知ったのですが、いつのまにかロックハートはオイルクーラーのみならず、会社ごと無くなってしまったようです。 ハーレーの方には今でも人気? かつては原子力潜水艦の部品も作っている、なんて謳い文句でしたけどねぇ…(^_^;) >上側 ホースが上側にある事でクーラー内部に空気が溜まったままになる現象を少しは防げるかも…という意味です。 それでもホースの取り回し分とか、どうしてもどこかに空気が溜まるとは思うのですが…その点は下側の方が安心? エンジンより高い場所にある事自体が問題かもしれませんけど、もしや取り越し苦労で、ホース下出しのタイプでも クーラー内部の構造で解消されてるとか、ちゃんと油圧で押し出せているとか…かな? 因みにZは高回転向きのギア式オイルポンプですが、長時間の停止時にオイルはほとんど落ちてしまいます。 >効果 無いよりはまし程度の事かもですが、今風のを使っているZの友人と油温計を見比べて大差ないのは確認しています。 当然、風の当たらない渋滞などでは友人共々全然効果がありません。(笑) それよか上質のオイルを!…でしょうね。いつぞや懸賞で貰った(笑)モチュールは確かに良かったのですが、空冷故か、 思ったより早く劣化?したような気がして、結局、現在は安物をマメに換えてオイルいや御茶を濁してます。(苦笑) >サーモスタット ところでロックハートのサーモスタットの弁が開閉、つまり作動するのは油温が81〜82度近辺からだそうです。 詳しくは確認中ですが…考えてみれば、上記の友人との比較の際は、いつもそれ以上の油温の時でした。 油温センサーの位置や製品によっての読み取り値等々の個体差もありますが、がらも号の場合、もう少し低い温度で 作動開始する物でなければクーラーとしての効果が遅すぎる気がします。特に夏場は中途半端で… 結局、オーバークール防止の為の機能ですが、この設定だと少々疑問もありますね。 確かにオーバークールは未経験ですが、やはり程よい冷却効果のクーラーを購入して夏場は交換…とかの方がイイかも… 渋滞対策にPC用等の電動ファンを…という話も聞きますが、それとて高温設定なサーモスタット内蔵には意味が無い?(笑)
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コンプレッション 例によって前後しますが(笑)、バルブはタコ棒作業の後、水泡法で密着 をチェックしました。(燃焼室に水を満たし、バルブを指で押さえながら裏 からエアーをかける…漏れがあれば泡が出ます。) また、ヘッドとシリンダーの合わせ面にストレートゲージを当てると、熱で 極めて微妙に撓(たわ)んでいましたが、ガスケットもありますし、面研ま では必要ないレベルと感じ、お掃除程度に大きなオイルストーンで磨き ました。(^_^;) で、走行できるようになって、しばらく経ってからですが、 ゲージを頂いたのでシリンダーの圧縮を計ってみました。ピストンリング の交換程度でも、4箇所ほぼ同一で規定値を軽々クリアーでした。
コンプレッションゲージは米国のホームセンターの、言わばDIY用です。 (当時の圧力計の類は表示単位が違う事もありましたので、その場合は 換算し、レンズに目盛りを打って使用してます。) 私も何箇所か散策しましたが、サンデーメカへの認識の差を感じます。 ある意味、使用頻度や価値観の問題もありますが、プロ用ではなくDIY 用っていうのがミソかと思います。先ずはそこからでも充分と思います。
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友人H君の新婚旅行のお土産(爆)に頂戴しました。 感謝!
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