チプコ運動(森林保護運動)

チプコ運動とは、インドの巨大ダム建設工事のため破壊される「命の森」(彼らは森を命より大切なものであることを知っている:森がないと生きられない)を守るため、現地の女性たちが中心となって木に抱きつき、木を切らせないという非暴力思想に裏打ちされた運動のことを言う。

ODA(途上国支援)の名のもとに行われたこの巨大ダム工事は、先進各国が請け負い、結局途上国からお金を吸い上げる似非(エセ)援助であった。

木に抱きつき木を守ろうとした現地の人々には人権が与えられておらず、200人以上が木と共に切られ死んでいったという。

このことは日本を除く各先進国では知らされ、市民運動により各国の資金援助等はストップした。

しかし、最後まで工事に携わっていたのは、日本からのお金と日本の建設会社、日本の重電メーカーだったそうです。

この問題は、建設会社や重電メーカーだけの問題ではなく、日本の人を人と思わない教育・思想にあると言わざるを得ないのではないか?


チプコのメッセージ

(1992.5.3 モントリオール会議:インド代表 ”チプコ運動の父”スンダルラル・バフグナ氏)

私たちはチプコと呼ばれている

チプコとはインド語で”抱きつく”という意味

私たちは木が切られないように木に抱きつく

木と共に切られてすでに200人の仲間が死んだ

今、あなたがたの国からたくさんの人が来て、たくさんの木を切り、たくさんのダムを作ろうとしている

ダムが出来ると森が沈み、私たちは生きていけない

このようなことが行われないために、私たち10万人のチプコは水に沈む覚悟をした

よく聞いて欲しい

私たちは決して貧しくない、私たちは豊だ

私たちは何も欲しくない、ダムも電気もお金も

あなた方は経済という宗教に取り憑かれてしまった

神様はお金、儀式は開発、生け贄は地球

神様からの贈り物は飢えと公害と戦争

開発は自然を殺し、一時の富をもたらすが永遠の生活と幸せを失う

私たちは開発ではなく、幸せを求めている

小さな土地と少しの水、少しの食べ物で十分なのだ

幸せはお城の中でなく、自然の中にある

悩みは欲の中にあり、幸せとは欲から解放されること

あなた方はどうして、その当たり前のことを忘れてしまったのか?

あなた方はどこに行くのか?

Yes to life!  No to death!

※インドのナルマダ渓谷に、現在3000のダムを作り100の村、10万人の先住民族を水に沈める開発が進められている。

これには日本のODA(途上国支援)が大きく関与していて、国際的な批判で世界銀行は融資を中止したが、工事は今なお続いている。

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