最近、宗教に名を借りた悪徳商法が摘発されました。
聞くところによりますと、
何代か前の先祖の霊が取り憑いているとか、
水子の霊がたたっているとかいわれて脅されて、
莫大な供養料を巻き上げられたということです。
考えてみれば、
私たちの先祖がいなければ、
私たちは存在しなかったわけで、
先祖というのは私たちにいのちをつないでくださった恩人のはずです。
その恩人が亡くなったからといって、
悪霊となって、
私たちにたたるなどと考えることは、
それこそ先祖をないがしろにする事だと思います。
先祖は私たちにたたるどころか、
浄土より見守ってくださっているのではないでしょうか。
また人工流産によって、
いのちを失った親の心の痛みも大変辛いものがあると思います。
しかし、それを水子供養することによって帳消しにして、
たたりから逃れようとするのは、
まことに自分の都合中心の利己的な考えのように思います。
むしろ人工流産してしまった子どもが、
この世であなたを目ざませようと、
我が子にまでなってくださった諸仏として、
いただいていくべきではないでしょうか。
ですから真宗の寺院では、
悪霊ばらいとか水子供養は一切おこなわれていません。
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