お斎(とき) |
報恩講の時に出される食事を「お斎(とき)」といいます。 このお斎というのは、本来、不殺生(ふせっしょう)という 戒律を守った寺院での食事のことをいいます。 そこでの食事は朝と昼の二回きりで、 午後はなく、また分量を過ごさない程度の食事をします。 現今でも南方仏教(タイ、ビルマ、スリランカなど)の 修行僧は厳守しているそうです。 もちろん精進料理で、お酒などは決して飲みません。 真宗でも、 年忌法要の後の食事をお斎とよんでいますが、 最近はなまぐさ料理が主流になって、 本来の意味からはかけ離れたものになっています。 戒律をとやかく言わない真宗ですが、 お斎は仏事をつとめた後の会食ということで、 仏事の後の宴会ではありません。 ですから、仏事が中心であって、 飲食が中心ではないということを心がけたいものです。 当寺の報恩講でも皆様方の御懇志を頂き、 また農家の方々からは季節の野菜などを寄進していただいて、 心ばかりのお斎をつくって出しております。 白菜のこうじ漬けや小豆と豆腐のいとこ汁などが もの珍しさも手伝ってか好評をいただいています。