法事の席では、僧侶の読経の後に、
参列者に焼香をしてもらうという運びになります。
その時にたまに見かけるのですが、
仏壇の前でおリンをチンチンと鳴らしてから焼香をする人がいます。
おそらくはその人にとっては、
ご先祖を呼び出しているつもりなのか、
それともリンを鳴らせば、
お参りする気持ちが仏様やご先祖様に
届くように思っているのかもしれません。
そのまま黙って見ていると、
困るのは次に焼香に出た人です。
さっきの人がおリンおたたいて焼香したから、
わたしもしなけりゃいかんのかと、
大概の人は半信半疑ながら、
おリンをたたいて焼香することになってしまいます。
そうなると、次の人も次の人もと、
おリンをたたいての焼香となってしまい、
せっかく厳粛な雰囲気だった法要な場が、
たちまちに騒然とした場になってしまいます。
神社ではかしわ手を打って参拝するのですが、
それと混同しているのかもしれません。
勿論、おリンをたたいての焼香は間違いで、
真宗大谷派では焼香の作法は次のように決まっています。
焼香卓の前に座り一礼し、
右手でお香をつまんで、おしいただくことなしに、
二回香炉にくべ、合掌礼拝し、
一礼して退くのが真宗大谷派の正しい焼香の仕方です。
それではおリンは何故鳴らすのかといいますと、
本来はお釈迦様が在世の時に、
お釈迦様の説法を聞く時の合図に
おリンが使われたと言われています。
ですから現在でも、
お釈迦様の説法、
つまり「お経」を聴聞する時の合図として、
「お経」の始めや終わりなどの決められた時に
打つのがならわしとなっています。
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