エビネの管理(春・夏)
一般的な管理について
   エビネ栽培は、風と水がポイントです。

風通しについて
 風の通しの悪い場所は、ウイルス病の発生等の危険性が高いので、冬を除いて常に風通
し のよい場所を選びます。

水やりについて
 水やりは、季節・天候・用土・管理環境などによって異なりますが、加湿気味で管理すると
弱々しくなりますので、表面が乾いてから水を与えます。
 なお、開花株については暖かい日が続けば花茎を伸ばすために2〜3日の間隔で水を与
えることもあります。
 水のやり過ぎは根腐れを起こす原因になりますので慎重に取り扱います。

雨について
 鉢植えの場合、雨の当たらない場所がよいですが、やむを得ない場合でも軒下等、雨の
当 たることが少ない場所を選びます。

春の管理

春先の水やり
 3月からは、控えていた水やりの回数を増やしてゆきますが、伸びてきている新芽に水が
かからないようにします。

葉の手入れ
 古葉に病気がある場合は、その部分をライターなどの火で消毒したハサミで切除するか、
殺菌剤を塗布するなどして広がらないようにします。葉の病気が著しいときは、新芽が伸び
てきたら切除してしまうことも一方法と思います。
  (古葉がある方が新葉も大きく育つようです。)

日差しの管理
 エビネは日陰の植物ですので、日光は午前中に数時間当たればよく、強すぎるときは遮
光ネット(すだれ、ブラインド)等で調整しますが、王冠など葉の性質の弱いエビネは明るい
日陰であれば、日光に当たらなくてもよいかと思います。

鉢の移動禁止
 3月に鉢の置き場所を選び、その後は鉢を移動しません。伸びてくる花芽は明るい方向へ
向いて伸びてきますので、真上へ伸びるように遮光ネット等で調整します。
  (理由 花茎が伸びてきているときに移動すると、花茎が曲がってしまいます。)
  なお、鉢を移動することができるのは、花が数個開花してからです。

花茎の調整
 開花時に花茎が曲がっていると見た目にもよくありませんので、茎が折れないように手で
そうと茎の曲がっている部分をなでると曲がりを修正することができます。

茎の除去
 長期間、花が咲いているとエビネも弱りますので、頃合いを見てバルブが盛り上がらない
ようにして手で花茎を抜き取ります。真上へ引くと「スッポリ」と抜くことができます。

花後の水やり
 花茎を抜き取っても、新葉の下部にあるハカマに水をかけるとハカマ内に水が入り、軟腐
病の原因にもなりますので、ハカマを取り除くまでは新葉に水がかからないようにして水やり
をします。

ハカマの除去
 一般的にハカマが枯れ出したら、ピンセット等を使用してハカマを取り除きますが、軟腐病
予防のため枯れ出さなくても、葉柄が固まってきた段階でハカマを取り除くこともできます。
 (葉が垂れないように「葉だれ防止リンク」を使用します。)
 以後は、ハダニ等の除去のために新葉の表・裏にも葉水をします。

梅雨時期の水やり
 梅雨時期は、水やりの回数を減らします。

葉やけ防止
 日光が当たり過ぎたりして新葉が黄色くなっている場合は、やや暗めの日陰に移動すると
ともに、液肥を葉に散布すると一週間程度で緑色に戻ります。緑色に戻らないときは、根腐
れを起こしているかも知れません。
 
夏の管理

日差しの管理
 夏に向けて日差しも強くなってきますので、日陰のみで管理するようにします。特にニオイ
エビネは、日光や暑さに弱いのでやや暗めの日陰で管理します。
 また、コオズ等の白花のエビネも同様にやや暗めの日陰で管理しますが、コオズ等の赤
色や紫色の花は暗すぎると花芽が付かなくなる恐れがあります。

夏の水やり
 梅雨時期が終わると乾燥してきますので、たっぷりと水を与えます。
 1  水やりは、用土の保水性などによって異なりますので、乾燥状態を把握のうえ数
   日に1回を目安として柔軟に対応します。
 2  水やりは、出来るだけ晩遅くにするようにします。
 3   水苔を使用している場合、夏前に水苔を取り除きます。
 4   水やりに合わせて葉に付着しているハダ二などを取り除くため、葉水をしっかりと
   します。