その44.よく見える人たち

 

 

私の友人には、よく見える人がいるのです。簡単に言ってしまえば、

霊感が強い人ということです。

 その友人はおなじ店でバイト(接客業)をしています。

 

 ある夜、飲食店のバイト先におかしなことが起こりました。

 二人の店員(B子、C子)がほぼ同時に「いらっしゃいませぇ」

と言い、入り口のドアを振り返りましたが、誰もいません。

私はドアが開いてお客さんが来たなんて、全く分かりませんでした。

次の晩もそうでした。二人が同時に「いらっしゃいませぇ」

誰もいないのに。。。。。でも、二人は気づいているようでした。

 

 ある夜、お客さんの接客をしているときに、ちょうどその話になりました。

私「ねえ、二人はいらっしゃいませって言うけど。。。誰も来ないよね」

B子「そんなことないよ。来てるよ」

私「えっ、誰が?」

C子「緑色の服を着たおじいさんだよ。」

客「まじぃ。おっかねぇな」

そんな話でわいわい盛り上がっているとき、突然、二人(B、C子)

が黙りこくりました。そして、お客さんを挟んで目で会話をしているのです。

私「どうしたの?二人とも、急に元気なくなっちゃって」

B子とC子はテーブルを挟んで向き合って座っているのですが。。。。

B子はそっと、私の耳元でささやきました。

B子「今ね、来てるの。C子の後ろに立ってるの」

私「。。。。。。。。。。。。。。。。。」

B子「C子も分かってる。後ろにいること知ってると思うの」

 

そんなことがあって、私は、見える人の存在を信じるようになったのです

 


その45.憑かれやすい人

 

私とD子は大の親友です。いつも一緒に遊んでいます。

もともと、二人は好奇心が旺盛。心霊スポット探索なんて、

ボーイフレンドを呼んでいっつも、行ってました。

 ある晩、私にとって最後になった心霊スポットツアーを決行した時のこと

をお話ししたいと思います。

 私たちは、有名な心霊スポットである墓地を最初に選び、その次に

これもまた有名な墓地を選ぶ計画をしました。

どれもこれも「出る」という曰くありげなスポットです。

でも最初の墓地は何も起こらず拍子抜けしました。

次のスポットは、私の地方では知らない人はいません。そう、

墓地のまわりを車で3周ぐるぐるまわり、その後、パッシングをする。

そうしたら、何かが起こる。そして、帰り交通事故にあって死ぬ。

または、青いドレスの女を見るなど、どこにでもありそうな、むしろ

陳腐な怪談話です。

 

夜もふけて、その2つ目の有名な墓地に行ったときのことです。

私たちは、1台目がパジェロ、2台目スカイラインで走っていました。

1台目にD子、2台目は私です。

3周目が終わり、パッシング。。。。。何も起こらない。実は、私はびくびく

していたのです。私の友人が、ここに来た後、交通事故で亡くなっていた

のです。でも、事故とここの因果関係は分からないし。。。。。。

やっぱり、何も起こらなかった。ふう。。。

「うん!?」

前のパジェロがバックライトを点灯し、後ろに下がってきます。

何だろう。取りあえずバックしようねと運転席の彼と話していました。

突然、パジェロから、運転手の彼が出てきました。

泣いている。。。。身体のでかい、彼が、大粒の涙を出し、泣いている

私「どうしたの?」

彼「D子がおかしいんだ。3周目をまわり終わってから。おかしいんだ」

私は、すぐに、D子のもとへ、駆けつけました。

D子は。。。。。。。。。助手席のダッシュボードに頭をつけ、うずくまっています。

私「D子、大丈夫!」

D子「うー、うー」

犬なんかが出すような、低く野太い、男の声のようなうなり声です。

D子を取りあえず降ろさなきゃ。そう思い、D子を降ろそうとするのですが

D子は助手席のダッシュボードのバー(パジェロには細いバーのような

ものがついてます。)に強い力で捕まって、頭をぶるぶる震わせています。

私「ちょっと!降ろすの手伝ってよ!」

大柄な彼は、運転席側から、私といえば、助手席の彼女の膝に乗り込んで

彼女を動かそうとするのですがびくともしません。

D子「うー、うー」

どんなことをしても動きません。私たちもパニック状態でしたが、

こんなところでパニくってても仕方がないので、近くの軽食堂まで

移動することとしました。

 

 最寄りの軽食堂駐車場に着きました。

そして、彼女を降ろそうとすると、

彼女はとても嫌がっているのです。その時、まじまじと彼女の顔を

見て、私は愕然としました。顔が違うのです。

もちろん、彼女の顔なのですが、別人です。ああ。。。ぱっちりした

可愛い彼女の顔はどこへいったのでしょう。目をつり上げ、よだれを

垂らすこの世のものではない何かがいることを私は悟りました。

それが、嫌がって苦しんでいるもの。。。。それは。。。。。

光でした。軽食堂のライトを明らかに嫌がっているのです。

D子以外の3人は瞬間的に分かりました。光をさえぎろうとして

もがく彼女をじっとみていました。病院に連れて行くべきか。。。。

「D子しっかりして!」叫んでもゆすっても、それは、

男の低いうなり声を上げるだけです。

誰かが言いました。もっと明るいところに連れていこう。

私たちは郊外のゲームセンターに連れて行こうと話し合いました。

あそこなら、とても明るく、音がガンガンなっているから。

 

ゲームセンターに着いて、D子は先ほどよりもっと、苦しみだしました。

「D子しっかりして。D子!」私は、往復びんたを何発もお見舞い

しました。その時、それが、地の底から絞り出すような声で言いました。

「か・え・る」

私「帰るって、何処に?」

D子は指さしました。D子の家と全く正反対の方向を。それは

あの墓地の方向でした。その瞬間、がくっとD子はうなだれました。

全身の力がすべて抜けたように。

私たちもあっけにとられていました。

D子がゆっくり目をさましました。

D子「おはよー!」

いつものD子です。

私たち3人は、ぼろぼろ涙を流していました。

D子「どうしたの。みんな?」

「。。。。。。。。。。。。。。。」

誰もD子に、うち明けられませんでした。私たちの方が怖かったの

かもしれません。D子はまだ寝ぼけているようで、ぼーっとしていました。

そのままD子の家まで送りました。翌朝、D子の頬はパンパンに

腫れていました。(私の往復びんたで)

D子はあのときのことを全く覚えていません。私たちもD子にあのことを

うち明けることはないでしょう。

あのとき以来、恐怖スポットを覗くことはありません。もう二度と。

 


その46.誰かが見ている・・・・・・

 

とある旅館に泊まったときのことです。

その旅館は古く、私の泊まった部屋には、廊下の飾りとして、

掛け軸、日本人形がある日本間でした。。

部屋に入ると、誰かに見られているような

嫌な感じがしました。しかし、日中はそのまま何事もなく過ごしました。

その夜のことです。

布団を敷いてもらって、床につくと天井の隅に

あいていた穴を見つけました。私はなんとなくその穴が

気になり、考えないようにしてもつい気になってしまいます。

何度か寝返りを打ったことでしょう。どうしても気になるのです。

そう、誰かに見られているような気がして。。。。。

私は、その天井の穴をとうとう見てしまいました。

その穴を見たときです。

 

穴の中に、人の顔が・・。

それも笑っているような。

恐怖のため私は目を閉じすぐに眠りました。

 

結局その旅館で事件や事故は

ないとのことです。

あの顔は・・?。