世の皆さんは我が嫁さんを呼ぶ時、どう読んでいるのだろう。
おそらくほとんどの方は名前を、仮に「ハナコーッ」と呼び捨てにされている方が多いのではないかと思う。
僕はどうかというと、未だに呼び捨てには出来ず、名前が孝子ゆえ「たかちゃん」と呼んでいる。
もともと店のお客として知り合った。
僕が31〜2歳、10歳下の嫁さんは21〜2歳の時であった。
当然であるがお客様を呼び捨てに出来るはずがない。
まだ二十歳すぎの彼女、ある程度店の常連となり、僕は親しみを込め「ちゃん」付けで呼んでいた。
数年後結婚に至る訳であるが、さて結婚したからといって、突然「タカコーッ!!」と呼び捨てに出来るものではない。
まして語源は、またいつ頃からそう呼ぶようになったのか知らないが「呼んで、捨てる」とは、まあ実に乱暴な呼び方である。
僕が呼び捨てに出来る女性は、もうこの世に居ない妹と、先日成人式を迎えた娘だけである。
また姉が二人いるが、何故か小さいころから、また今でも「ちゃん」付けで呼んでいる。
ついでにオフクロも「かあちゃん」と呼んでいたが、これは田舎育ちのせいか・・・。
ともあれ結婚して20年を過ぎた今でも「ちゃん」と呼んでいる。
ただ昔に比べると使う頻度は非常に少なくなっている。
理由は簡単子供が生まれ、その子供が「お母さん」と呼ぶようになると、こっちもごく自然に「おかあさん」と呼ぶようになる。
が、それはあくまで子供の前、もしくは近くに居るという前提であって、居ないとやっぱり「ちゃん」となる。
しかし最近ちょっと違和感を感じるようになり、若干の気恥ずかしさを覚えるようになった。
ちょっと困ったものだが今さら呼び捨てなどやっぱり出来そうにない。
はてどうしたもんだろう。
外でなら色々な呼び方がありそうである。
嫁さん他、家内、女房、妻、またちょっと違和感はあるが、奥さんとか、相方、という人もいる。
また自分が何ほどの者か知らないが、愚妻と呼ぶ人もいる。
まあ確かに色々な呼び方があるが、これはあくまで他人の前、もしくは紹介、また何がしかへ書く場合であって、呼んでいるわけではない。
直接呼ぶとなると、そんなには無さそうな気がする。
「ちゃん、さん」他「呼び捨て」にするか、あとは「お前」くらいではないだろうか。
(例外として<おい>もあるが)もちろん僕はお前とも呼べない。
また「貴女」もおかしいし「お宅」はもっとおかしい。(ご愛敬で、何なに様、また姫もあるが・・・)
ともあれ嫁さんと二人だけの時「おかあさん」と呼ぶのも何か変だ。
たとえば昔話とか、ドラマなどではよく「おじいさん・・・お婆さんや・・・」とやさしく呼び合ったりしているところをよく見かけるが、
素直に耳にここちいいものだ。
実際老夫婦はお互い、おじいさん、おばあさん、と呼び合っているところを耳にする。
しかしそれはあくまで人の前であって、二人きりの時もそう呼んでいるのだろうか?ちょっと覗いてみたいところである。
ともあれ我々夫婦はまだお爺さん、お婆さんではない。
あと10年以上、もしくは孫でも出来なければお爺さん、お婆さんとは呼べないだろう。
なんとなく「ちゃん」付け出来なくなりつつ、今さら「さん」付けもないだろうし「おかあさん」は不自然だし「おばあさん」には早すぎる。
さて子供も大きくなると嫁さんと二人の時間が多くなる。
そんなときのいい呼び方はないものだろうか、と時々思う今日この頃なのである。