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(C)2003
Somekawa & vafirs

金沢 BAR <主のひとり言>

酔っぱライダー

Team・Robroy(チームロブロイ)なるものが出来た。自転車のチームであるが、さてその実態は・・・?

ある日通勤にマウンテンバイクを愛用しているという“S氏”からメールが来た。
 ― チームロブロイというステッカーを作ってイイッスカー?
 ― イイッスヨー ―と僕は返信した。

それから数日していくつかの案がメールで送られてきた。 もともと遊びでありそこは酒場のこと、酒場には酔っ払いが付きもの、さしずめ酔ったライダーということで“酔っぱライダー”というサブタイトルが付いていた。 僕は“酔い良い”と返信した。

それからしばらくして「出来た」といって彼はやってきた。
結局“酔っぱライダー”の方が大きく描いてあり、これではチームロブロイというより酔っぱライダー・チームだ、と言いながら、しかし僕は大いに気に入った。

ところで僕の自転車は何かというと、チームなどとはおこがましい折り畳み式のミニ・サイクルである。 なにやら申し訳ない。
そこへまた一人の自転車好きY氏がやってきた。 チームロブロイ?に大いに興味を持ち是非入れてくれという。 彼も僕も断る理由など無い。 元々何も無いのだから。 これで三人になった。

さて彼の自転車はというと、リカンベントタイプの自転車である。 リカンベントとは「もたれかかる、横になる」というような意味であるが、普通オートバイでも自転車でもそうだが、前頭部は前輪に決まっている。 しかしリカンベントタイプはシートにもたれかかったような、いわば寝そべり、足を前に突き出して漕ぐタイプ、結局構造上ペダルが最前部になる。 ペダルより前輪の方が後にある。 (色んなタイプがあるが)見たことが無い人には想像しにくいかもしれない。 そのタイプを彼は三台所有している。 他に石川県で3〜4人が所有しているらしい。 僕も乗ってみたが慣れないと非常に乗りづらい。 当の本人も乗りこなすまでに5〜6回はこけたとの事。

そこへまた偶然やってきたのがI女史である。
彼女は、下りなら誰にも負けない、と自称する“飲ん娘”ママチャリ・ライダーである。 自転車はというと、ジャスコでイチキュッパで何年か前に買ってきたとの事・・・。 これ以上の説明は要らないだろう。 ともかくチーム入会となった。

ということでS氏のマウンテンバイク、Y氏のリカンベント、I女史のママチャリ、僕のミニサイクル、とまあ見事にバラバラ4人での発足式、となった。
今後について何か規約らしきものをとなったが、すでに方向性などまったく無いわけであるから、なにも規約が無いことを規約とすることになった。 もともと「イイッスカー、イイッスヨー」で始まっている。
年齢、性別、自転車の種類、一切問わない、特に入会も募らない、何も活動もしなくて良い、と言いながらもそれぞれに役が付く事になった。

まず発起人?となるであろうステッカー作成者のS氏は広報部長となった。 しかし広報活動、入会は募らない。
Y氏は出納長。しかし、運営費・名簿など一切要らない。 当然ノートも要らない。
I女史は、女子部として発展するとも思えないが、それでも婦人部長。
僕は何の班分けするのか分らないが、班長となった。

さて決まったところで、何の規約も無いが、それでも何がしの今後について話し合うのである。
ある意味面白いバラバラの自転車軍団である。 それに年齢、種類など問わないのだから、この際一輪車のメンバーも欲しい。 となると三輪車も欲しい。 この場合園児用でも老人用でも構わない、何ならサーカスの綱渡り自転車も、ということになった。 とにかく何でもどうでもいいのであるが、最後、極めつけは自転車がなくてもよい、とまでなった。 賛成である。 要はたまにこうして飲めればいいのである。 とまあ平和な4人はウンウンと納得しているのであった。
そして最後に、我ら“酔っぱライダー”誰にも好かれる酔っ払いでなければいけない。 と、これだけは決まった。

<主のひとり言>  毎・月半ば更新いたします。