実に小さいわが家には庭がない。
ただ道路側から玄関へ向って車一台分くらいのスペースがあり、右の建物側に小さい花壇があり、反対側にはちょっと大きめの鉢植えをいくつか置いている。
それぞれ大きめの鉢だが、一番大きい鉢だと直径一メートルくらいはある。
それぞれなぜ大きいかというと答えは簡単、大きい方がチマチマと土を入れ替えたりする必要はないだろう、というズボラな発想からきている。
事実ここに住み着いてそろそろ30年、その間一回も土を入れ替えた事がない。
ようするにあまり触らなくてもいいような、ツツジとか、ツゲ、またはグミといったような、どちらかというと花というより「木」を植えている。
たまに伸びてくる枝はバッサリと切ってやればよいので、実に簡単で良い。
さてその鉢植えであるが、土を入れ替えたりしないという事は、ある意味安定しているという事になる?。
だからなのか分からないが、もう何年も前からトカゲが住みついているようである。
毎年春先今の季節になると、とても小さいトカゲが出てくる。
ただ不思議なのは、どこに住み着いているのか分からないし、あまり親トカゲの姿もみない。
毎年生まれているはずだ。
たまにはみんなまとめて出てきてくれてもいいような気もするが、それもない。
トカゲの寿命がどのぐらいなのか知らないが、ハ虫類は結構長生きする、と聞いている。
つい昨日も見かけたが、やっぱり一匹だけだった。
繰り返すが毎年生まれ、数は増えているはずだが、まとまった数を見たことがない。
ひょっとしたら小さい種類のトカゲが一匹だけ住みついているのかなあ、と思ったりするがもうちょっと大きいトカゲも見たような気もするので、相変わらず「謎」のままである。
捕まえようと手を差し出すと当然逃げて行くが、運悪く捕まると意外に手のひらの中でジッしている。
目をクリクリと結構可愛いものである。
しばらくして元いた鉢植えの中へ帰してやる。
そしてまた何処かへ消えていく。
ところで話は脱線するが、ヤモリとイモリの違いをご存じだろうか。
昔は家の窓ガラスにへばり付いていたのがヤモリであり、小川や用水に背は黒く、腹は赤いのがイモリである。
そしてヤモリはトカゲの仲間でハ虫類だそうである。
イモリはというとサンショウウオの仲間で両生類なのだそうである。
さてハ虫類と両生類とどう違うかというと、それ以上知らない。
話を戻そう。
鉢植えではないが道路に面し、地植えのツツジが結構育っている。
今年も鮮やかなオレンジ色の花を沢山付けてくれた。
最近になりさすがに咲き乱れていた花も、弱ったほうからポロポロと落ち出した。
そこで先日落ちそうになった花びらを採ってやろうとひとつの花を軽くもぎ取ると、何やらムギュッとした感触があり、かつ中で何かが動いているように感じた。
びっくりして手のひらを開いてみるとカエルを握っていたのである。
カエルもびっくりしたであろう、ピョンと地面へ飛び降りた。
が、それ以上逃げるわけでもなく、しかし手を差し出すとピョンととび跳ねた。
ちょっとしつこく手を差し出すと道路側へ逃げた。
道路は危ないと思いそれ以上は追わなかったが、その代わり写真を撮らしてもらった。
で、撮れたのが「添付の写真」である。
これまた目元クリクリ、可愛いカエルである。
カエルというと、もっと茶色っぽいとか、土色をしているのが多いような気もするが、ほぼそれは真っ白な体色だった。
次の日探してみるとツツジの根元に居た。
なぜかホッとする。
(これを書く前辺りを探してみたが、たまたま見当たらなかった)
以前垣根に蛇もいたが、これはその後見かけない。
他に二階の屋根の舳先(へさき)に足長蜂の巣もいくつかあるし、秋になると赤い実のなる木があり、その実を食べに鳥もやってくる。
大歓迎である。
さて我が家の一員となったトカゲ君同様、カエル君も住み着いてくれるか?。
しばらくカエル探しが日課となりそう、楽しみが増えた。