大浦地区 木越町の昔話  そのA


  団子むこさん

昔々、ダラな婿さんがお嫁さんをもらって、ある日、嫁さ

んの家におよばれに行きました。そしてそのお里では

ダンゴを作って婿さんに食べさせました。

すると婿さんが「こりゃ、なんとえまいものだ。なんという

名前や」と言うと、「ダンゴというものや」と言われ、「ほう

か」と言って、帰り道に忘れるかと思って「ダンゴ、ダンゴ

ダンゴ」と言って歩いていったということです。

そうすると、途中に溝があって、ドッコイショ、ドッコイショ

と渡ったら、さっきのダンゴを忘れてしまってドッコイショ、

ドッコイショと言いながら家に帰ってしまったということです。

家に帰ると、お嫁さんに「おいかかあ、おめえの里には、

とってもうめぇドッコイショがあったぞ。そのドッコイショを食

べさせてくる」と言うと、お嫁さんは「そんなドッコイショなん

てどこにもありません」と言いました。

この話を聞いていた父親が「えぇ 何回言っても分からない

奴だなぁ」と言って、婿さんの頭を竹でパァンと叩いたら、

そこにダンゴができました。

すると、お嫁さんが「あらっ、ダンゴができた」と言ったら、婿

さんは「そのダンゴや、そのダンゴや」と言ったということです。



鷲(わし)の育て児

昔、 お母ちゃんと、お父ちゃんが子供を田んぼへ連れてって

つぶら(籠)の中に子供を入れて置いてあったんやて。

一服してそれから、おっぱい飲ました。

仕事に掛かったら、鷲が来てつぶらを取っていった。

「ありゃあ、大騒動。大そうどう」といっても、ドウスルコトも出来なかった。


鷲は、お寺の庭にその子供を落としたんやて。

和尚さんな、どこの子やらわからんし、子供もおらん人やったし、

可哀想で、その子供を拾って育てたんやて。


その子は、ものすごい立派なお坊さんになったんやて。




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