平成27年12月15日 暗がり清水への放流
12月15日となり、今日からは少し冷たい雨になり出した。
暮れの大掃除の準備を兼ねて、部屋で飼育していたホタルの幼虫を、笠舞・暗がり坂の清水(しょうず)へ放してきた。
このしょうずは、笠舞河岸段丘崖の崖地から湧き出しており、奥に見える壁は卯辰山層で、
その上に段丘砂礫層が不整合で覆っており、湧水はこの不整合面から染み出しているものである。
昭和30年代には笠舞地区は水田地帯であり、地下に浸透した水が崖地から沢山湧き出していた。
現在は、この上の台地は宅地化されてしまったので、湧水はごく僅かになってしまった。
しかし、今でも少しずつ流れ出し、途中で合流する水も含めて、常時水が流れる小川となっている。
カワニナの生息にはとてもいい環境であり、小さいものから大きなものまで沢山生息している。
ホタル飼育する際の餌にするために、この水路にカワニナを取りに行っていたのである。
孵化直後から、この下流の用水路からカワニナを少し頂き、飼育してきた。
しかし、カワニナを取る際に落葉や堆積物も一緒に水槽に入れていた。
これが悪かった。落葉や堆積土の中に、いろんな水生昆虫たちの幼生も含まれており、
中にはトンボの幼虫のヤゴ等も含まれていた。
結果、ホタルの幼虫を捕食する昆虫も一緒に飼育していたようで、
気がついてみたら、ホタルの幼虫は僅かしか生き残っていなかった。
大失敗である。幼虫たちには申し訳ないことをしてしまった。
放流に先立ち確認した所、13頭まで確認出来た。
ほぼ最終令近くまで大きくなっているので、四月にもう一度脱皮し、
5月には上陸してサナギになり、6月始めには羽化する予定である。
来春この湧き水のある水路沿いで、ホタルが飛んでくれれば有り難いことである。
かつては、この湧水とその下流の用水路沿いでは、沢山のホタルが居たはずである。
が、近年は都市化、宅地化により最近は確認されていない。
まだ残る水田や畑もあるので、ホタルが飛び交う水辺になればと願うものである。
金沢ホタルの会一会員