学仏道場相応学舎(そうおうがくしゃ) 相応学舎は、故安田理深(やすだ・りじん)先生(一九〇〇〜一九八二)により、五十年にわたって相続された「学仏道場」である。安田先生の学舎に相応学舎という名前を与えられたのは曽我量深(そが・りょうじん)先生である。「相応」は唯識思想における「ヨーガ」の訳語である。曽我先生は、『無量寿経』を唯識思想で照らすことによって『無量寿経』の神話性を破り、唯識思想を『無量寿経』で照らすことによってアーラヤ識という概念に宗教的本能というべき超越的意義を与えられた。その曽我先生が安田先生の学舎に相応学舎という名前を与えられたのは、唯識思想による仏道の学びを安田先生に託されたからだと思われる。 その唯識思想の論師である天親菩薩の『浄土論』に「かの如来の光明智相の如く、かの名義の如く、実の如く修行し相応せんと欲(おも)うがゆえなり」とあるが、ここでの「相応」とは「如実修行」である。罪悪深重の凡夫が如来の光明智相の如くに修行する、つまり親鸞聖人の言葉でいえば真の仏土に往生することがどうして成り立つのか。「称名憶念することあれども、無明なお存して所願を満てざるはいかん」という曇鸞大師の課題は、罪悪深重の凡夫である我々一人一人の課題である。唯識思想とは人間の罪の深さを徹底的に分析し解明した教えであるから、念仏しても救からない身の事実を決してごまかさず、救からない原因を唯識思想にどこまでも学んでいく。その学びの姿勢が学仏道場として相続されている「相応」学舎の面目である。 現在相応学舎では、親鸞仏教センター所長の本多弘之(ほんだ・ひろゆき)先生による『教行信証』講義、大谷大学名誉教授の鍵主良敬(かぎぬし・りょうけい)先生による『十地経論』講義、元洛南高校宗教科教諭の虎頭祐正(ことう・ゆうしょう)先生による「小さな命を守る母親の会」などが行われている。 (平野 喜之) |
相応学舎ご案内 |
■住所 〒603−8151 京都市北区小山下総町28−7 ■電話 075−432−0573 |