平成復元模写

竹河二

現存する国宝「源氏物語絵巻」の中でも最も華やかな場面。復元によって2人の姉妹や居並ぶ女房たちの装束や桜の花が一層優美な姿に再現された。

22.0×48.1 p 徳川美術館蔵 富澤千砂子製作(H17年)
21.8×47.4 p 五島美術館蔵 加藤純子製作(H17年)

鈴虫一

柏木との不義に悩み出家した女三宮が、前庭を眺め、夫の光源氏が放った鈴虫の音を聴いている。現存図中、絵の具の剥落が最も激しい画面。

to Special
21.9×48.4 p 徳川美術館蔵 加藤純子製作(H16年)

柏木二

夕霧の装束や几帳は、白(鉛白)と銀とで描かれている。この色面は、紫色を呈しており、鉛白と銀との併用による化学変化で変色したとされてきた。しかし今回、蘇芳と推定できる有機色料(染料)が確認された。この紫色は、蘇芳の変色とみなし、さらに表現としては、「桜襲」と呼ばれる裏地に紫や赤、表が白の春の装束に用いられた色目で、裏の色が表に匂った表現と判断された。