桃山スーパー絵師  〜 長谷川等伯 〜

国宝 楓図壁貼付
国宝 楓図(4面 各172.5×139.5cm、京都・智積院蔵)

「楓図」は天下人・秀吉の命をうけて描かれた、等伯の名声を不動にした記念碑的作品。実物大をはるかに凌(しの)ぐ楓や松の巨木と色とりどりの秋草が、ゴージャスな桃山時代を象徴しています。また、紅葉や木犀(もくせい)、鶏頭(けいとう)、萩、菊などの植物の姿は、画面からその生命力が溢れんばかりに表現され、ライバル狩野一門の「金碧花木図」には見られない、華やかな装飾性と豊かな情感を湛(たた)えています。

  • 1539(天文8) 能登国七尾で誕生、実父は能登守護畠山氏の家臣で後に染物屋を営む長谷川家の養子に
  • 1568(永禄11) 長男・長谷川久蔵生まれる
  • 1571(元亀2) この頃に上洛し、本法寺塔頭教行院に滞在する
  • 1570年代頃(元亀〜天正初年頃) この頃「武田信玄像」(高野山・成慶院蔵、重文)
  • 1589(天正17) この頃名を等伯と改める
  • 1590(天正18) 御所造営に際し、対屋の障壁画制作を巡って狩野永徳一門と対立する
  • 1593(文禄2) 等伯一門「祥雲寺障壁画」(現京都市・智積院蔵、国宝)、長谷川久蔵没(享年26歳)
  • 1594(文禄3) この頃「松林図屏風」(東京国立博物館蔵、国宝)
  • 1599(慶長4) 「仏涅槃図」(京都市・本法寺蔵、重文)を描き、宮中に持参したのち、本法寺に寄進する
  • 1610(慶長15) 二男・長谷川宗宅を伴い江戸へ下向する、長谷川等伯没(享年72歳)
to Favorite