山下さんとアイガモ |
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土に生きる | |
農業は食べものを生産する仕事である。人間は生きている限り毎日食べて、その日のエネルギーとしている。 自分がその生涯を終えても、子孫もまた生きるために食べものが毎日必要だ。そして食糧は”土”から生まれてくる。土には1g中に何億という微生物がいて、工場の中のごとく食べもの(植物)を育てている。ごく当たり前のことだが、百姓にとっては土を守り毎年そこから一定量の食べ物をいただくということが努めであり、土なくして人は生きられない。漁業をなりわいとしている人たちは、当然海を守らねばならない。乱獲は、無限大に見える海ですら資源が減って自分の首を締めることになる。 土を守り、海を守り、水を守り、空気を守り、それぞれ自分の立場でこの地球全体の生態系をそっと守っていかないとわれわれ人間もこの地球上に生きていくことを許されない。 宇宙飛行士がよくいうことは、地球は素晴らしくきれいだがもろい存在だと。実際、全ての生きものはリンゴの皮ほどの空間でうごめいて必死に生きている。リンゴの皮の中も外も住めない地域だ。そんな狭い空間で、人間だけが腹いっぱい食べて汚物を好きなだけ撒き散らしていては、近々自分も住めなくなるのは少し考えてみれば気が付くことだ。一人の個人が地球を守ってやろうなんて大それたことはできない。われわれにできることは、なるべくそっと静かに自分の生を終えていくことかも知れない。 |
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有機の始まりは勇気農業 | |
さて、具体的に自分の生きる場所で自分にできることは、土を守り土のさまざまな”仲間”にあまり迷惑をかけないようにお米を毎年いただく。先祖たちの血と汗のたまものであるこの土を子孫にそのまま渡すこと。自分はただ先祖と子孫の間で一時この土をまかされているだけ。 これが農薬と化学肥料を使ったそれまでの農業と決別する理由だった。十数年前、目標は決まったがその方法がわからない。若さにまかせて力ずくで、まさに有機農業は”勇気”農業だった。 田んぼの場合、除草剤を止めるというのはやっと世間並みに便利さを得た農家がまた一昔前の重労働に逆戻りするということ。家族はもちろん猛反対だった。自分もこんなことしていると腰の曲がった老人になるかと思うほど、毎日毎日田んぼにへばりついて草を取った。会を創ってこの米を食べた人たちにも手伝ってと、強引にたのみ込んで慣れない作業に参加してもらい皆で並んではるか向こうまでもくもくと草を取った。 皆若かった。苦労の割には収穫は少なかった。何も目に見えてよいことはなかったけど、何か良いことをしているという自信が力になっていた。そのかいあってか、今はアイガモもいる。さまざまなくふうもあって、草取りはだい分楽になった。でも油断しているとどっと草が出てくる。楽になった分、自分も会の皆も活力がなくなったようだ。 |
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百姓の夢 | |
トンボやホタルのいる田舎の風景、魚の群れる川、自分の子供の頃のようには戻れないけれど、この20〜30年の忙しい世の中の間に失われてしまったものを少しでも取り戻せたらいい。この狭い自分の村の田んぼから日本のあちこちの村で点々と頑張っている仲間の田んぼからトンボやホタルが日本中(世界中)に広がっていくことを願って。 ・理屈が多過ぎるのはダメ。でも理屈をいわないと人には伝わらない。 ・楽しくなかったら続かない。 ・ホームページの開設をうまく活力と自分たちの進歩に生かしたい。 |
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山下家のお米はここが違う! | |
山下家の田んぼで草取りをする合鴨 |
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◎完全無農薬米です 農薬・除草剤・防虫剤は一切使用していません。 だから自信をもっておすすめできます。 ◎有機肥料を使っています ボカシを利用した有機栽培米です。 ◎良質の水を使っています 米作りの決め手は水の良し悪し。 蓮花のたんぼには内川上流の良質の水がたっぷり。 ◎たんぼの土も安心です 無農薬栽培を始めて30年以上。 頑固に無農薬栽培を貫き通してきた山下さん自慢の安全で肥沃な 土が、おいしいコシヒカリを育てます。 ◎玄米・糠も安心です ヘルシー食品として注目されている玄米・糠は、完全無農薬だから こそ安心して食べられます。 ◎アイガモも頑張ります たんぼの草取りは無農薬米栽培の宿命。 その強い味方がアイガモです。 たんぼの中を縦横無尽に泳ぎ回り、たんぼの草をよくとります。 害虫もたくさん食べてくれます。 |
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・無農薬栽培には夏場の草取りが不可欠です。アイガモもがんばってくれますが、やはり決め手は『人力草取り』。会員一人ひとりが自由に時間を決め、6月〜7月の間に数回行なっています。 苦しい作業ですが、「あぁ!土と共に生きている」〜この自然との一体感が、忘れかけていた何かを思い出させてくれます。もちろん草取り作業ができない方の入会も大歓迎です。 ・その他、田植え・カモの網張り・稲刈り等々、色々な農作業にも自由に参加できます。 そして、何よりの楽しみは収穫祭。みんなで餅つきをし、鍋を囲んでの楽しいひとときです。収穫祭が終わるといよいよ新米が食卓に並びます。 ・山下家自家製の別所タケノコ・シイタケ・大根・ネギ等々も楽しみのひとつです。また、畑を借りて有志会員でジャガイモ栽培もしています。もちろん、無農薬有機栽培です。 ・一人ひとりの会員が、様々に≪山下家・たんぼ≫とおつき合いしています。特に堅苦しい決まりはありません。「農家の親戚・友だちができた」くらいの軽い気持ちで、みんなとてもマイペースです。共通項はただひとつ。 『山下家の無農薬栽培米作りをみんなで応援し、みんなで食べる』ことです。 |
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