Z2の軒下

バイク雑記

 

 

・ Z2のステップ比?

 

1速〜5速までの各ギア間ごとの離れ具合を数値化したのがステップ比です。

計算方法は、例えば「5速のギア比÷4速のギア比=4速のステップ比」となります。

Z2のサービスマニュアルからのミッション・データ(各ギア比)は次の通り。

二次減速比(ドリブン/ドライブスプロケット)等もノーマルの数値からです。

参考までに、古い友人の愛車でもあるゼファー750のデータをば併記してみました。

 

Z2

ゼファー750

1速

3.17

2.333

2速

2.19

1.631

3速

1.67

1.272

4速

1.38

1.040

5速

1.22

0.875

一次減速比

1.73

2.550

二次(最終)減速比

2.80

2.437

総減速比(5速)

5.90

5.438

※ゼファーの総減速比以外はメーカー発表のデータですが、四捨五入ではなく切り捨てみたいです。

ゼファー750のデータはとりあえずの余興ですが、一見、Z2とはギア比が全然違うように見えて、これは

構造上の違いであり、一次や二次を含めた各ギアごとの総減速比(小数点三位を四捨五入)を計算して

みると似たような数値になります。因みにゼファー750はZ2と同じ時代のZ650(ザッパー)を祖としている

バイクですが、熟成された各部の進化は完全に現行車レベルだと思います。設計や素材だけではなく、

加工精度からして違います。いやマジに違いすぎ…あいや、その各ギアでの総減速比は次の通りです。

(ゼファーの詳しいスペックシートが無いので、メーカーサイトで拾った上記ギアレシオからの計算です。)

一次×各ギア×二次=各総減速比

Z2

ゼファー750

1速総減速比

15.36

14.50

2速総減速比

10.61

10.14

3速総減速比

8.09

7.90

4速総減速比

6.68

6.46

5速総減速比

5.91

5.438

※どうやらメーカーによるZ2のデータも切り捨てのようですけど、こちらでの計算は

以下の記述に必要な累積計算を考慮して小数点三位を四捨五入とします。

あ、でも基礎データはメーカーのなので、若干曖昧なのは御愛嬌…(^^ゞ

一見、各ギアともゼファー750の方がハイギアードですけど、ゼファーはリアタイヤが17インチと小径

ですから(実寸は測ってないけど)、各ギアでの実際の速度/回転数こそ似たような感じかしら…

ゼファー750はいつぞやリアスプロケットが変更されて二次減速比が変わった記憶があるのですが、

こちらのデータは事前か事後のどっちか失念しました。それについてはいずれ記述します。たぶん。

(おいコラ!)

 

おっと、ゼファー750の方向に話が逸れました。(笑)

先ず、ステップ比は1以上には成り得ず、小さい数値程、ギアレシオが離れている事になります。

いわゆるクロスミッションというのは、ノーマルに対して別生産や改造にて、この数値が大きい(1に近い)

関係の歯車で組まれたミッションです。

また通常のバイクは二次減速比が固定なので、上の各ギアの総減速比で計算してもステップ比は

変わりません。即ち社外品スプロケット等で二次減速比を変更してもステップ比自体は同じです。

それについては後でも述べますが…で、いよいよ?そのステップ比です。

黄色は5速100キロでの回転数

]rpmを維持したままシフトダウン

した場合の速度 

Z2

ゼファー750

1速

3.17

2.333

     

]rpmでの速度

38.30 37.61

1速ステップ比

0.69 0.70

2速

2.19

1.631

     

]rpmでの速度

55.51 53.73

2速ステップ比

0.76

0.78

3速

1.67

1.272

     

]rpmでの速度

73.04 68.88

3速ステップ比

0.83 0.82

4速

1.38

1.040

     

]rpmでの速度

88.00 84.00

4速ステップ比

0.88 0.84

5速

1.22

0.875

     

]rpmでの速度

100 100
     

黄色文字は5速で時速100キロの回転数を維持したままシフトダウンした時の各ギアでの速度です。

単純に各ギアでの速度を一段低いギアのステップ比で掛けただけです。…ややこしいだけ?

当然、ゼファーは実際の回転数が違いますけど、とりあえず同じ実験をしたらという設定で見て下さい。

あくまで実際のパワーバンドや各部の負荷やフリクションロス等も無視した数値ですのであしからず。

それよか、ステップ比本来の見方でしょうが、実は(黄色文字の趣旨とは逆に)速度を一定としたまま

シフトアップした場合に回転の落ちた、残りのパーセンテージを表しています。

つまり、例えば4速3000回転の時に速度を維持するという条件で5速にシフトアップした場合、回転数は

3000rpm×4速ステップ比0.882640rpmになると…合ってます?(笑) 

   

ついでと言ってはナンですが、また電卓遊びで、「逆ステップ比」みたいな?計算もしてみます。

ステップ比の逆で、下のギア比÷その上のギア比です。

そんな言葉ない!って言われるかもしれませんけど…意外とヒマな奴?(大汗)

 

緑色は1速40キロでの回転数

Yrpmを維持したままシフトアップ

した場合の速度 

Z2

ゼファー750

1速

3.17

2.333

     

rpmでの速度

40 40
     

2速

2.19

1.631

2速逆ステップ比

1.45 1.43

Yrpmでの速度

58.0 57.2
     

3速

1.67

1.272

3速逆ステップ比

1.31 1.28

rpmでの速度

75.98 73.2
     

4速

1.38

1.040

4速逆ステップ比

1.21 1.22

rpmでの速度

91.94 89.3
     

5速

1.22

0.875

5速逆ステップ比

1.13 1.19

rpmでの速度

103.89 106.29
     

こちら「逆ステップ比」は速度を一定にしたままシフトダウンした時の回転が上がる比率になりますね。

この場合は1以下があり得ずに、数値が大きい程ギアが離れていると…ギアの離れ具合を数値化する

だけなら、こちらでも良さそうな気もするんですけどね。(ダメ?)

こちらもゼファー750の回転数はZ2とは違うけど…という設定ですので。

 

さて、ここでちょっと視点を変えて、峠のパーキングなどで、よく耳にしそうな会話を…(経験者語る?)

「あれぇ! スプロケット換えたんだ?…アファムの小さい奴?」

「うん、トップギアで走っている時、ど〜にもさ〜、もう1速あるような、欲しいような気がしてさ〜」

「わかるわかる、で、ついついシフトペダルをかき上げちゃうんだよな。でもエンストとかしない?」

「あ、最初だけ!(笑) もう慣れちゃったから平気だけど…それよっかコーナーとかさぁ…」

「なによ?」

「ハイギアードにしたら、1速ごとの間隔が広がった感じで、スムーズに回転が合わないんだよね…」

 

こういう話を聞いたり経験したりって事はありません?

これって、現実的にはたぶん正しいのですが、ある意味では誤解にも思えたり…ですよね。

実際、二次減速比つまりドライブorドリブンスプロケットを丁数の違う社外品等に変更すると、

各ギアごとの回転数に応じた速度も変わり、例えばハイギアードにすれば、確かに1速ごとの速度の

間隔も広がり、逆にローギアードにすれば狭まる訳ですが、さて、アクセルワークはどう変わるか…

 

次の表はノーマルのZ2と以前、私がZ2に使っていた社外スプロケット(二次減速比2.65)での比較です。

(以前の…です。今、どんなのを使っているか、ど忘れしちゃいました。)(おいおい…)

ノーマルは前述の表と同じですが、黄色文字も懲りずに?時速100キロの回転数を維持という設定です。

それと今度は同じエンジンですから両者の回転数も同じという設定ですので…ややこしくてスイマセン。

青文字はノーマルとの速度差。

 

Z2

(二次2.8)

以前の

がらも号

(二次2.65)

1速

   

]rpmでの速度

38.30 40.48(2.18)

1〜2速間の速度差

17.21 18.19
     

2速

   

]rpmでの速度

55.51 58.67(3.16)

 2〜3速間の速度差

17.53 18.53
     

3速

   

]rpmでの速度

73.04 77.20(4.16)

3〜4速間の速度差

14.96 15.82
     

4速

   

]rpmでの速度

88.00 93.02(5.02)

4〜5速間の速度差

12.00 12.68
     

5速

   

]rpmでの速度

100 105.7(5.7)

   

二次減速比2.8/2.65で対比すると1.057となり、ノーマル各ギアの速度に5.7パーセント増で計算。

(後日追記)がらも号の94.6%での計算だと(自分が)解り難いので堪忍してネ。大差ないし。(ばき)

同じエンジン(ミッション)でも二次減速比をハイギアードに変更すると、いわばハイスロを装着した時の

ように、微妙な調節が難しくなるのは確かです。が、それはどちらかというとギアが一定の時の加減速

の話であって、例えば速度を一定にしたまま、あるいは適度なクルージングにてシフトチェンジした場合に

変えなければいけない回転数の比率はステップ比によるもので、つまり同じミッションのバイクでの比較

に過ぎませんから、理屈の上ではアクセルワークの運動量は全く同じな筈…なんですよね。

(ただしハイスロに関しては、この場合でも難しいですが…)

でもま〜なかなかそうはならないからバイクは面白いのかもしれませんね。そもそも理由があってシフト

チェンジする訳ですから。坂道とか急カーブとか景色が綺麗とか…誰かに抜かれそうとか?(ばき)

普通のライダーには到底改造などできないミッションといえど、ギア比やステップ比を意識しているか

どうかで、結構違ってくる気がしますし、逆に素人の簡単な理論では説明のできない部分が面白い

のかもですが…あ、普段の私はこんな理屈っぽくないですよ。(信じてちょ!)

 

(^^ゞ

  

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